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行雲流水
2018年4月28日(土)8:54

【行雲流水】(雪解けはあるか)

 「5月1日のメーデーを迎え、釜山(プサン)の日本総領事館前に強制徴用労働者像が設置される予定の中で、慶尚南道昌原(キョンサンナムド・チャンウォン)にも同じ日に労働者像が設置される」と韓国メディアの中央日報日本語版(デジタル)が25日伝えた。以前から取りざたされていたことが現実のものとなる

▼ここでいう強制徴用労働者とは大東亜戦争時の労働者徴用のことで慰安婦問題と同じ73年以前にさかのぼる話を担ぎ出した格好だ。今日の私たちにとって理解しがたいことではあるが韓国の人々にとっては日本に対して賠償と謝罪を求める新たなこととして持ち上がってきたようだ

▼この問題も日本と韓国の間では真っ向から対峙する話で日韓関係が冷え切っている現状では両国民の感情がさらに悪化するのではないかと危惧する

▼慰安婦問題は別にして労働者徴用に関しては1965年の日韓基本条約が締結されたことに伴い「請求権並びに経済協力」協定が結ばれて、日本は朝鮮に投資した資本、個人財産のすべてを放棄しただけでなく11億ドル(1ドル=360円)の援助をし、韓国は対日請求権を放棄したことになっている

▼にもかかわらず、韓国大法院(日本の最高裁)は「個人の損害賠償請求権は有効」との判断をくだした。これを受けて韓国下級裁判所は新日鉄住金、三菱重工といった日本企業に対し元徴用工の遺族に賠償金の支払いを命じた。2016年の話である

▼1965年の日韓基本条約は韓国司法機関で無効と判断されたことになる。裁判所の判断を韓国民は戦時徴用労働者の損害賠償請求は当然の権利と受け止めた。日本総領事館前の徴用労働者像設置は日本に対しさらなる賠償を求める運動の象徴とする狙いがあるのだろうか。(凡)

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