2018年5月18日(金) 8:54

【インサイドリポート】機器破損の公表に遅れ/伊良部南区断水問題

不信感招く市の対応


伊良部南区の断水に伴う市上下水道部の説明会で質問する住民ら=16日、伊良部の東地区構造改善センター

伊良部南区の断水に伴う市上下水道部の説明会で質問する住民ら=16日、伊良部の東地区構造改善センター

 先月27日から最大4日間、伊良部南区で断水が発生した。市上下水道部は当初、南区の使用水量の増加を断水の原因としていたが、後に水道機器の破損を結論に付け足した。なぜ破損の公表が遅れたのか。住民の不信感を招きかねない市の対応を時系列で振り返る。


 ■断水と市の調査


 4月27日、住民からの電話連絡で一部地域での断水が確認された。28日になると、南区のほぼ全域に影響が及んだ。
 市は27日、国仲の第3配水池の故障を真っ先に疑ったが、配水元に水位変化のシグナルを送るボールタップを含めて、異常はなかったという。
 それでも水圧の低下が見られたため、市は緊急措置として同日夕、通常は「牧山配水池→伊良部浄水池→国仲配水池」という水の流れを牧山と国仲配水池を直接結ぶ管路に変更し、高水圧で南区の配水量を確保した。
 「国仲の配水池に異常がなければ、漏水しか考えられない」。そう踏んだ市は27、28の両日、夜を徹して地中の管をくまなく調べたが、漏水は確認できなかった。
 ところが30日未明、国仲配水池の流入ボールタップの動きの異変に気付いた。少なくとも上下水道部の内部では、この時点で機器の不具合が断水の要因になり得る可能性を認識していた。


 ■記者会見


 4月30日午後、市は会見を開き、南区での使用水量が供給量を上回っていることを断水の原因として発表した。だが、ボールタップの異変については触れなかった。
 上下水道部の兼島方昭次長は15日、本紙の取材に対し、4月30日未明にボールタップの異変に気付いていたことを認めた。会見で触れなかった理由に挙げたのが、「確証が持てなかったから」。ボールタップの異常による断水を断定できないために公表を控えたという。
 使用水量の増加を原因とすることに確証は持てたのだろうか。「あの時点においては、それしか考えられなかった」と弁明するが、機器の異変を伏せたという事実を前にしては説得力に欠ける。
 30日の会見を報道各社は大々的に報じた。断水要因に関する情報を住民が欲しているためだ。この報道で、住民は水の使い過ぎが原因であることを認識しており、よもや水道機器の不具合などは疑わなかっただろう。
 住民の多くが水道機器の破損を断水の原因とする情報を知ったのは今月15日。断水発生から2週間以上経過していた。


 ■不可解な市の対応


 断水時、給水所にいた60代の女性はこう言ってため息をついた。「私たちが何を知りたいのか分かる? 原因だよ。それが分からないからみんな不安が尽きない」。
 住民は復旧の時期はもとより、断水の原因を知りたがっていた。生活インフラが寸断され、南区の将来の水事情に不安を抱いていた。「使い過ぎが原因なら、今後も断水はあるのではないか」という懸念は当然だ。
 こういった住民の不安を踏まえると、4月30日の会見で機器の異変に触れなかった市の対応には疑問符が付く。「正確な情報を伝えたかった」という主張だが、今となっては使用水量の増加を断水の原因とした発表内容も正確とは言えまい。
 16日にあった住民説明会で、参加住民の一人は市の姿勢を批判し「ボールタップの不具合がなければ断水はなかったんですね」と確認した。最終的に市上下水道部の大嶺弘明部長は「その可能性が高い」と認めた。
 相対的に南区の使用水量の増加による断水の可能性は低くなったが、市は今もこの要因を否定していない。
 市はなぜボールタップの異常をいち早く南区の住民に知らせなかったのか。こういった対応の遅れは意図的に隠したのではないかという誤解を招きかねない。断水で経済的損失を被った一部の事業所は市に陳情書を出しており、断水問題は今後も尾を引く。引き続き市の説明責任が問われる。

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