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2018年7月3日(火) 8:54

【行雲流水】(伊良部大橋めぐり)

 伊良部大橋をめぐる。2点を効率的に平たんで、直線状に結ぶのではなく、起伏があって、曲線と直線が織りなす全体の造形美が人を惹きつける。上り坂では、白い雲に近づき、下りの直線では青い海に吸い込まれるような錯覚を覚える


▼最も高くなっているところの停車場では車から降りた観光客が、カメラのシャッターを盛んに切っている。向けているのは、はるか水平線まで広がる青い海。干潮の時には、与那覇湾あたりから橋の中央付近南側まで白い砂が水面すれすれに広がっていて、一部は水面上に出ている。その上に2、3の小さな人影が見えて、景観を一層雄大なものにしている


▼小舟のように浮かぶ三日月も風情があるが、満月前後の月影もさやかである。伊良部側の橋から渡口港までの海岸線から見る月の光は、左前の大橋を照らし、きらきら光る波の帯が、月と観察者をさわやかに結ぶ


▼伊良部側橋のたもとに広場があって、夜は、海と陸に囲まれた天空の中心にいるように星空を仰ぐことができる


▼星空はもうすっかり夏。天の川には、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』の起点、白鳥座が浮かんでいる。車から、賢治作詞・作曲の「星めぐりの歌」が流れてきた。「あかいめだまのさそり、ひろげた鷲のつばさ-」。七夕にデートするわし座の「彦星」と琴座の「織り姫星」、さそり座のあかいめだま(アンタレス)が見ごろである


▼夜遅く、釣り糸を垂れて波の音を聴いている人がいる。大橋を渡って、Uターンしてくる人もいる。帰りの平良の街の夜景がことのほか美しい。(空)