2018年7月26日(木) 8:54

【潮流底流】G20、遠い協調/残る火種、問われる真価

20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の写真撮影に臨むムニューシン米財務長官(右から3人目)ら=21日、ブエノスアイレス(AFP時事)

20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の写真撮影に臨むムニューシン米財務長官(右から3人目)ら=21日、ブエノスアイレス(AFP時事)

 アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで22日閉幕した20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は、焦点の貿易摩擦問題について共同声明で「対話や行動を強化する」方針を打ち出した。しかし、米国は各国が問題視するトランプ政権の通商政策を保護主義と認めず、「協調」というにはほど遠い内容。新興国の通貨安という世界経済の新たなリスクも浮上しており、これまで国際協調を担ってきたG20の真価が問われている。


 ◇米国との溝埋まらず


 「貿易摩擦は国際協調で解決すべきだ」。国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は会議終了後の記者会見で、世界経済の最大の懸念要因である米中の「貿易戦争」に対し、G20の足並みが乱れていることに憂慮を示した。
 今回のG20は、米中摩擦が双方の追加関税発動などで激化して以降、初の国際会議。ほぼすべての参加国が討議で貿易摩擦激化に懸念を示し、共同声明では貿易摩擦を「世界経済の下方リスク」と指摘。「保護主義と闘う」ことも確認した。
 表面的には、貿易摩擦回避に向けて各国の意見が一致したように見えるが、ムニューシン米財務長官は閉幕後の会見で、米国の通商政策は「保護主義に当たらない」と改めて強調。他の参加国との根深い溝を印象付けた。


 ◇通貨安でも食い違い


 貿易摩擦の問題に加え、今回の会議で新たな争点として浮上したのが新興国の通貨安問題だ。開催国アルゼンチンでは4月以降、自国通貨のペソが対ドルで約27%も下落、IMFの支援を受けざるを得なくなった。同国以外にも、同じ期間にトルコで約17%、ブラジルと南アフリカで約12%、中国で約7%と、それぞれ対ドルで自国通貨安が進んでいる。
 自国通貨の下落は製品の輸出競争力を高める一方、国外への資金流出を通じてその国の経済を深刻な不況に陥れるリスクをはらむ。G20共同声明も新興国の現状について「市場の過度の変動、資本の逆流に直面している」と懸念を示した。
 こうした通貨安の大きな要因は米国による利上げだ。リーマン・ショック後の米金融緩和を受けて各国に流れ込んだ大量の資金が米の利上げで逆流し、新興国通貨の大幅安につながっている。
 しかし、米国の主張は全く違う。トランプ大統領は20日、ツイッターに「中国や欧州連合(EU)などは自国通貨を操作し、金利を低くしている」と書き込み、むしろ中国などが意図的な通貨安誘導を行っていると批判して見せた。


 ◇10年迎えたG20の役割は


 今回、G20財務相会議の主要テーマとなった貿易摩擦と通貨安問題では、ともに米国自身が当事者だ。しかし、ムニューシン財務長官は「(米国が)孤立しているとは全く思わない」と強調、各国と折り合わなかった。
 G20は、2008年秋のリーマン・ショックを機に首脳会議を定期的に開き、危機対応のための政策協調などで存在感を高めてきた。だが、今回の会合では中心メンバーの米国自身が問題の「火種」となり、状況を複雑化させている。
 麻生太郎財務相は、G20の主題が「金融から貿易に移っている」と指摘。10年目の節目を迎え「もう少し議論を絞った方がいい」(国際金融筋)との意見もある。G20は、11月末に同じブエノスアイレスで開かれる首脳会合(サミット)で、その役割を改めて問われる。(ブエノスアイレス時事)

  • 宮古島の人口

    平成31年1月1日現在

    宮古島市 54,229 人
    27,165 人
    27,064 人
    世帯数 26,857 軒
    多良間村 1,172 人
    628 人
    544 人
    世帯数 523 軒
  • 天気


  •  

    2018年7月
    « 6月   8月 »
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    293031  
  • 社団法人日本新聞協会

    • 日本新聞協会2