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行雲流水
2018年8月14日(火)8:54

【行雲流水】(翁長知事逝去を悼む)

 翁長知事が8月8日に逝去、県内に大きな衝撃が走った。信念を曲げず、全力で沖縄のあるべき姿を求め続けた姿勢は、保革を超えて、県民に信頼され尊敬されてきた

▼翁長知事は知事選で36万票余を獲得して圧勝、その高い支持率を背景に、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を推し進める政府と対峙(たいじ)し、辺野古基地建設の断念を迫り、沖縄の過重な基地負担の軽減を訴え続けてきた

▼そのことは、本来全県民の要求であることは、2013年、内閣総理大臣にあてた「建白書」が、オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会実行委員会、県議会、県市町村関係4団体、市町村、市町村議会の連名で提出されたことでも示されている。ちなみに、建白書は①、オスプレイの配備を直ちに撤回すること。②、米軍普天間基地を閉鎖・撤去し、県内移設を断念すること、を要求している

▼しかし、脅しや懐柔、予算の削減や辺野古周辺への補助金の直接投下、地方自治への過度の干渉など、状況は厳しくなった。そうした中でも、一貫して信念を曲げなかった翁長知事は、沖縄の尊厳と名誉、アイデンティティーを守る象徴だったとも言える

▼もうひとつのノーベル賞と言われる賞を受賞した平和学の父ヨハン・ガルトゥングは語る。「米国は最も好戦的な国で、第二次世界大戦後、37カ国で、2000万以上殺害している」。自国の国益のためには、他を顧みないのは、まさに、沖縄で顕著である

▼翁長知事の示した方向は、沖縄県ばかりでなく、日本の進むべき正しい道を示す灯台として、これからも輝き続けるだろう。(空)

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