2018年8月30日(木) 8:54

【潮流底流】辺野古争点、短期決戦火ぶた/沖縄県知事選

保革再構築目指す反対派


 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設が争点となる同県知事選は、主要候補が出そろい、来月30日の投開票に向けて短期決戦の火ぶたが切られた。移設に反対する自由党幹事長の玉城デニー氏と、国政与党が推す前宜野湾市長の佐喜真淳氏の事実上の一騎打ち。移設反対派は、急逝した翁長雄志知事を保革を超えて支えた「オール沖縄」態勢の再構築を目指す。政府・与党は4年ぶりの県政奪還へ総力戦で臨む方針だ。


 ◇「オール沖縄」変質


 「翁長知事の遺志を引き継ぎ、辺野古新基地建設阻止を貫徹する」。玉城氏は29日、那覇市内で開いた出馬表明の記者会見で、翁長氏が果たせなかった辺野古移設断念を勝ち取ると宣言した。傍らには、翁長氏が死去の3日後の集会で使う予定だった青色の帽子が置かれていた。
 白羽の矢は、初めから玉城氏に立っていたわけではない。オール沖縄をつくる各政党・団体は今月中旬、ふさわしい人物をそれぞれ推薦。この時は地元企業「金秀グループ」の呉屋守将会長ら5人が挙がり、玉城氏の名はなかったとされる。
 その直後、翁長氏が玉城氏と呉屋氏を後継に挙げたとされる音声録音の存在が浮上。呉屋氏が出馬を固辞すると、オール沖縄の政党・団体の多くは一気に玉城氏擁立に傾いた。
 翁長氏は米国人を父に持つ玉城氏について「戦後の沖縄を象徴している」と語っていたとされる。日米同盟を認める玉城氏であれば保守層の抵抗は薄く、革新に保守の一部を加えたオール沖縄の態勢を維持できるとの読みもあったとみられる。ただ、翁長県政を誕生させたオール沖縄は、この4年で変質した。共産党の存在感が高まり、保守勢力の一部は活動に距離を置くようになった。翁長氏を支える地元企業の代表格だった「かりゆしグループ」は自主投票を決めている。
 玉城氏擁立のきっかけとなった録音が開示されないことへの不満もくすぶる。玉城氏は28日、小沢一郎自由党代表とともに東京都内で野党各党を回り、支援を取り付けたが、小沢氏は「大変厳しい戦いになる」と危機感を隠さなかった。


 ◇「弔い色」警戒


 「極めて重要な選挙だ。全力投球するようお願いする」。安倍晋三首相(自民党総裁)は28日の党役員会で、県政奪還に総力を挙げるよう指示。自民党の二階俊博幹事長は29日、記者団に「全力投球でやる」と強調した。
 安倍政権がなりふり構わず勝利を目指すのは、辺野古移設に及ぶ影響への懸念からだけではない。知事選投開票の10日前には党総裁選の投開票があり、首相が総裁3選を果たしても、知事選を落とせば出はなから勢いをそがれるからだ。
 政権内では、玉城氏はタレント出身で知名度が高い上、翁長氏の音声録音で「弔い合戦」の色彩が強まる可能性があるとして、危機感は強い。一方で、前回自主投票だった公明党が佐喜真氏推薦を決めたことにより「勝利の方程式」(政府高官)は整ったとの自信めいた声も漏れる。
 菅義偉官房長官は近く沖縄県を訪問。二階氏ら与党幹部も次々と沖縄入りし、9月13日の告示前から徹底的な組織戦を展開する構えだ。
 一方、沖縄県が翁長氏の遺志を踏まえて辺野古沿岸部の埋め立て承認を今月31日にも撤回する方針を固めたことで、政府は埋め立て海域への土砂投入を知事選後まで先送りする見通しとなった。
 承認撤回について、政府高官は「副知事が決めていいのか」とけん制したが、知事選前に土砂投入すれば佐喜真氏への逆風になりかねない。撤回は政府にとって「渡りに船」の面もあり、関係者は「知事選前の土砂投入はない」と言い切った。

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