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政治・行政
2018年9月6日(木)8:59

事業成果上がらず/市のトマト栽培

計画収量大幅に下回る/「病害虫対策後手に」
次年度、民間委託へ


事業実施3年間で収量計画を大幅に下回った市のポットファーム栽培実証施設=5日、上野野原

事業実施3年間で収量計画を大幅に下回った市のポットファーム栽培実証施設=5日、上野野原

 開会中の市議会9月定例会は5日、経済工務委員会(高吉幸光委員長)が開かれた。上野野原で行われているコンピューターの管理下でトマトのハウス栽培を行う新技術実証栽培(ポットファーム)事業における3年間の実績が計画収量を大幅に下回ったことが報告された。市農林水産部の松原清光部長は「専門知識を持った職員が人事異動となったことで、病害虫対策が後手に回ったことが要因」と説明した。

 この日の委員会は、同事業における2017年度特別会計歳入歳出決算認定についての審査を行い、同事業のあり方に委員から疑問や指摘が出された。

 真栄城徳彦氏は「17年度も当初予算ですでに一般会計から153万円も計上している。特別会計事業に最初から赤字を見越して繰入金を入れないと事業できないというのはどうかと思う。さらに、その効果も出ていない」と苦言を呈した。

 市農林水産部によると、同事業による収量計画は年間で20~30㌧とし、市の当初計画では同26㌧、売上げを910万円と見込んでいた。

 しかし、初年度の15年度が収量4・8㌧(売上275万円)、16年度は収量4・5㌧(同183万円)、17年度はさらに落ち込み、277㌔(同13万円)となった。

 3年間とも計画目標の5分の1以下で、特に17年度は約10分の1となった。

 松原部長は「3年間とも病害虫対策が後手に回って収量が上げられなかった。さらに、途中で専門知識を持った職員が人事異動になったことで、病害虫の早期発見、早期防除がさらに困難になったことが大きな反省点」と述べた。

 上地廣敏氏は「なぜ、研修を受けた職員を異動させたのか。人事異動が赤字の原因と言われても仕方がない」と述べ、赤字計上は人為的な要因も大きいとの見解を示した。

 同部では現在、同施設の業務委託に向けた作業を進めており、年内には公募を行い、来年4月から民間によるトマト栽培をスタートさせるとしている。

 松原部長は「これまでに2、3件の問い合わせがある。技術を持ったトマト専門農家に委託したい」と述べた。

 委員からは「この事業は新しい技術を農家に伝えていくことが目的だった。市が実施した3年間で収益が出ず、将来展望も見込めない状況。民間に伝えるだけの技術は蓄積されているか」と指摘した。 

 松原部長は「病害虫対策で経験不足はあったが、ある程度の実績はあったと思う。民間でもそれぞれのやり方で実績があるので、委託後も県と連携しながらサポートしていきたい」と述べた。

 ポットファーム 太陽光など再生可能エネルギーを活用した新技術実証栽培施設。施設の広さは1143平方㍍総事業費約1億3500万円。コンピューター管理体制による栽培で、台風などの自然災害にも強い施設。市ではこの栽培方法が普及すれば、農薬を過度に使わず、地下水保全にもつながるとしている。


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