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行雲流水
2018年11月13日(火)8:54

【行雲流水】炎と怒り

 全米雑誌賞を受賞するなど、著名なジャーナリストであるマイケル・ウォルフ著『炎と怒り』(トランプ政権の内幕)が、米国で170万部を超えるベストセラーになった。この書は200件以上の関係者取材をもとに書かれている

▼著者は、スティーブ・バノン(大統領首席戦略官および上級顧問、後に辞任)の発言を引用、トランプ大統領を、臆病かつ情緒不安定で大統領の資質に大きく欠けた人物として描いている。また、知識も信念もなく、思いつきと気分次第で行動する幼稚な大統領とも

▼トランプ政権の上級スタッフの多くが、トランプ政権の一員であることの唯一のいいことは「さらに悪いことが起こるのを防ぐ」ことだと信じている

▼トランプは幼稚と言うべきか、無知と言うべきか、オバマ前政権の成果はことごとく否定する。オバマ時代に導入された医療保険制度を批判するが、なぜ、何が問題なのかは語らない。ロジャー・エイルズによると、「世界中で、トランプほど医療保険に無知な人はいない」

▼イラクの核合意から脱退、経済制裁を強行した。これに対しては、米国を除くすべての締結国や世界の核を監視する国際原子力機関も非難している

▼池上彰は解説に書いている。「アメリカ・ファーストとはアメリカの国益をまず考えるという意味に考えられてきたが、実際はアメリカさえよければ、あとはどうでもいい」という意味であることが分かってきた。さて、トランプ政権の米国とわが国はどう関わるか。主権国家としての真価が問われている。(空)

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