2018年11月29日(木) 8:54

【行雲流水】(閑話休題)

 芸術の秋。東京・上野で開催中の「ムンク展」を見た、との便りが友人から届いた。代表作「叫び」の前は黒山の人だかりで、見物人の頭越しにしか見ることができなかったとのこと。昔、画集で見た「叫び」がよみがえった


▼何かにおびえて橋の上を逃げて来る人物画だ。体は曲がりくねり、口をたてに大きく開け、両手を耳に当てて走って来る。表情も、背景の雲の流れも幻想的。夢に出てくるボヤーッとした感じだ


▼ずっと後方に立っている2人の男の姿だけが比較的はっきりしていた。2人の男に追われて夢中で助けを求める「叫び」だ、と解釈。内なる〝たましい〟の響きを描き出す画家の才能に感心したものだ


▼往時の感動を再確認すべく、ネットで画集を開いて驚いた。そこには「自然の叫びに耐え切れず耳を覆っている姿」だとある。原題は「自然の叫び」だったとのこと。驚天動地の心境になってしまった


▼それにしても、ムンクがこの絵を描いた当時は、環境問題は顕在化していなかったはずだ。自然が悲鳴をあげていたとは思えない。ムンクが聞いた自然の「叫び」とは、何だったのだろうか。芸術家の感性は、凡人にはうかがい知ることができそうもない


▼考えあぐねているうちに、ふと思った。芸術作品の鑑賞法は、必ずしも一様である必要はないのでは。見る人それぞれの解釈や想像があってもいいはずだ。直感でつかんだ最初のイメージに戻ったとしても、文句は出て来ないだろう。ひそかに自分に言い聞かせて、パソコンの画面を閉じることにした。(柳)

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