2019年3月19日(火) 8:54

【行雲流水】(日本一短い手紙)

 本物の手紙文化の復権を目指す目的で、福井県丸岡町が始めた日本一短い手紙コンクール「一筆啓上賞」が昨年第26回を迎えた。今回のコンクールのテーマは「先生」で、3万9000通の応募があり、160通の入賞作が発表された


▼そのなかに沖縄県から、4名の作品が選ばれた。そのひとつ、「先生、僕の銅像がつくられたら、除幕式に来て下さい」(快晴、13歳)。夢は大きいほどいい。彼は、その夢実現のために努力するだろう


▼このコンクールのテーマは、「夢」や「愛」、「母」や「先生」などと年によって異なる。第1回の『日本一短い「母」への手紙』から幾つかを拾ってみたい


▼「お母さん、雪の降る夜に私を生んで下さってありがとう。もうすぐ雪ですね」(利徳、51歳)。「おかあさんのおならをした後の『どうもあらへん』という言葉が私の今の支えです」(幸子、30歳)。「遠くで想うと涙が出る。近くで見てると腹が立つ。お母さん!! 愛しているよ」(英里、43歳)


▼そんな母にも、年を取ると、時には思わぬことが起こり得る。「野を駆けて行ったまんまの五歳のわたしがいるんだね。惚けてていいよ、お母さん」(征子、53歳)。「話せなくてもいい、寝たきりでもいい。生きていてくれるだけでホッカホカなんだ」(まこと、40歳)


▼お母さんに対しても、先生に対しても思いはさまざま。そのなかで共感するものを見つけると、読者の思いは深くなる。作品としての手紙でも、実際の生活の中の手紙でもいい。何よりも、手紙をもらうことは、ことのほかうれしいものである。(空)

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