2019年6月4日(火) 8:54

【行雲流水】(『宮古の小噺と綾語』)

 沖縄宮古民謡協会(会長・佐和田方恒)は会員相互の親睦を深めるとともに、宮古民謡・舞踊の継承、発展を図るための諸活動をしている。宮古島市では「とうがにあやぐ大会」を催し、芸能祭では会員の民謡教室や舞踊研究所で学ぶ郷友ら多数が参加、日頃の研さんの成果を披露している


▼ところで、民謡を深くきわめるには、そのよって来た歴史や風土について学ぶことが望ましい。その際、同協会の理事・宮国昭男著『宮古の小噺と綾語について』(その1、その2)は絶好のテキストになろう


▼宮国氏は書いている。「宮古民謡には先人達の生き様が感じられる。神々に祈る呪祷的歌謡や村々の指導者を讃える叙事的歌謡、家庭繁盛や男女の愛を歌う抒情的歌謡など、すばらしい歌謡が残されている」


▼氏はこの書を書くに当たって、膨大な文献を参考にしている。そして、宮古路を実際に歩き回って、史跡や歌碑などを訪ね、その印象と文献の内容を重ね合わせ、自らの考察を加えて、単なる史料集ではなく、魅力ある読み物にしている


▼例えば、人頭税廃止運動を成功させ、その祝賀会が「鏡原馬場」で催されたが、「漲水ぬクイチャー」を踊り、熱狂的に祝った状況が紹介され、成功に至った理由が考察されている。その他、グスクと御嶽、豊見親とその時代、「豆が花」や「豊年の歌」等の民謡などが取り上げられている


▼本書は宮古の歴史やそれにまつわる小噺、綾語(アヤグ、アーグ)等が74項目にわたって書かれている。広く活用されることが期待される。(空)

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