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行雲流水
2019年7月4日(木)8:54

【行雲流水】(季節の移ろい)

 今年は、梅雨の明けるのが遅かった。例年だと、6月23日の「慰霊の日」には太陽も顔を出していたが、今年は梅雨空の下での追悼式典だった。小雨模様の摩文仁の丘では、少年少女合唱団の歌う「涙そうそう」が流れていた

▼山内玲奈さん(兼城小6年)が、自作の詩「本当の幸せ」を朗読するころには雨もやんだ。生きているから笑い合える/生きているから未来がある/命どぅ宝だ。凛とした声は、参列者の心に染み透ったことでしょう

▼あれから1週間後、ようやく梅雨明け宣言が出た。7月に入ると、前月とは様変わり。今度は度を超す夏本番だ。車のフロントガラスに反射する太陽光線がまぶしい季節となった

▼今日からは、さらに熱くなるという。参議院議員選挙の舌戦が始まるからだ。各候補者の言い分には、それぞれ一理あり、有権者は3週間かけて吟味することになる。政策を吟味することが本来あるべき姿だが、実際は「政治の不思議さ」に翻弄されて投票日を迎えることになりそうだ

▼政治の〝場〟は、騒々しい。NHKの日曜討論をみていると、各政党の主張は、有権者の持つ1票を集めたい一心でのパフォーマンス(演技)のように見える。それが民主主義かもしれない。良く言えば〝説得〟、悪く言えば〝あおり〟の要素がつきまとう

▼ふり返ってみて、慰霊の日に自作の詩を朗読した、あの小学6年生の純真な気持ちを「美しい」と思う。あの〝場〟は、政治的パフォーマンス発揚の場ではなかった。少女の気持ちを政争の具にはしたくないものだ。(柳)

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