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行雲流水
2019年8月1日(木)8:54

【行雲流水】(インドクジャク)

 南の島でクジャクの楽園-テレビ朝日のモーニングショーで取り上げられていた宮古島の話題だ。クジャクの群れがゴルフ場で遊んでいる姿が映っていた。報道姿勢は中立的、むしろ「一度、行って見たら」との観光宣伝のようでもあった

▼だが、事態は深刻だ。天然記念物ミヤコカナヘビ(トカゲ)を食すること、農作物を荒らし、ゴルフ場のグリーンを汚すなど宮古島にとっては〝害鳥〟になっている

▼宮古島で野生化しているインドクジャクは約2000羽だという。1980年代、学校などで観賞用として飼っていたクジャク。台風で飼育小屋が壊れて逃げ出したのが野生化の始まり。繁殖力が旺盛で、ねずみ算式に増えているという

▼現在取り組んでいる駆除方法は、人間による狩猟と犬の嗅覚による卵探索。狩猟は1日1~2羽、嗅覚犬による探索は1日1巣(卵4~5個)。今のペースだと、完全駆除は2050年になるとのこと

▼興味深い話も紹介されていた。地元の食堂で、クジャクの肉を食材化。「クジャクカレー」などが出ていた。珍しさも手伝って人気メニューになりそうだという。クジャク料理の研究開発が進めば、野生のクジャクだけでは原料不足が生じ、将来はクジャク養殖事業が起こるかもしれない

▼市場経済原理(商品化)の導入は、最も合理的な解決方法であろう。市場経済は、野放しでは希少動植物を絶滅させる恐れもあるが、智恵次第では有害動植物の駆除にも役立つ。フランス料理の名物具材「エスカルゴ」は、もとはといえばカタツムリだ。(柳)

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