2019年8月25日(日) 8:54

【潮流底流】G7、瓦解の瀬戸際/宣言なし、問われる意義

「ロシア復帰」も焦点

  
 フランス南西部の保養地ビアリッツで24~26日に行われる先進7カ国首脳会議(G7サミット)は、恒例の首脳宣言が採択されない見通しで、存在意義が問われる会議となりそうだ。トランプ米大統領は「米国第一」を唱え続け、欧州勢も混迷を深める。民主主義や法の支配など価値観を共有する西側陣営が40年以上にわたって国際秩序をけん引してきたサミットが瓦解(がかい)の危機にひんしている。


 ◇仲介困難か


 「G7サミットは、基本的価値を共有する国のリーダーが率直な意見交換を行う場だ。G7が結束し、世界に向けて統一したメッセージを発出していかなければいけない」。安倍晋三首相は23日、日本をたつ前、記者団に力強く語った。
 日本は自由主義陣営の一国として1975年の第1回サミットから参加。戦後最長政権となった安倍首相の出席回数はメルケル独首相の14回に次ぐ8回に上り、一定の発言力を持つ。カナダでの昨年のサミットで、トランプ氏と欧州・カナダとの橋渡し役を担った安倍首相は、6月の20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)を主宰した自負もあり、今回も欧米の仲介役を狙う。だが、欧米の亀裂は深刻で、緩んだG7のたがを締め直すのは容易ではない。


 ◇「五分五分」


 トランプ氏は来年の大統領選をにらみ、ひたすら米国の利益を追求。自由貿易、地球環境、人権を軽視し、通商、イラン核合意などで欧州と衝突し続ける。欧州内でも、英国の「合意なき欧州連合(EU)離脱」が現実味を増し、イタリア政局は大混乱に陥った。一枚岩となってG7を立て直そうという気概は感じられない。
 議長役のマクロン仏大統領は、首脳間の活発な議論を優先し、首脳宣言の取りまとめは見送ると早々と表明した。宣言の文言調整を始めれば、米国との対立がさらに深刻化する恐れがあるからだ。
 マクロン氏は合意が見込める個別テーマごとの文書作成に意欲を示す。包括的な成果文書が作成されなければサミット史上初めて。過去のサミットでは、首脳宣言より格下の「議長総括」として討議の結果が公表された例もあるが、日本外務省筋は「議長総括を発表するにしても米国の了解が必要。発表の可能性は五分五分」と話す。
 民主主義を掲げる欧米主要国が、国際政治・経済の課題に指針を示してきたサミット。首脳宣言がなければG7の土台がさらに揺らぐ。ロシアや中国が勢いを増し、短距離弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮に付け入るすきを与える事態も想定される。


 ◇次はトランプ議長


 ロシアのサミット復帰論の行方も焦点だ。トランプ氏は、2014年のクリミア併合で排除されたロシアを再びサミットに戻すよう唱えている。英独は否定的だが、マクロン氏は、サミット直前にロシアのプーチン大統領と会談するなどの動きをみせ、「かじを切る可能性がある」(日本政府高官)との見方もある。
 来年のサミット議長国は米国で、トランプ氏が独断でロシアを招待する可能性もある。今回、G7首脳がロシア復帰の是非をめぐり激論を交わす場面もありそうだ。

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