2019年8月31日(土) 8:54
【美ぎスマ】まっちゃ健在/城辺地区福西集落
「太郎商店」「益田商店」/70年地域の生活支える
店の入り口近くには弁当や多種類のおかず、木綿豆腐やゆし豆腐などの総菜が豊富に並ぶ。近所に住む79歳の女性は肉のおかずを買った。「夫婦2人では家で作るより買った方が安上がりで便利」と話した。開店(朝6時半)時には豆腐が売れる。通りすがりの建設業の人たちは弁当や飲み物を買っていく。子供たちの好きなお菓子の種類も多い。
たるまっちゃでは、テル子さんの笑顔の接客が、固定客の多い伝統の店づくりの力になった。来店した川満トシエさん(69)は、愉快な昔話に花を咲かせた。座って話せるように椅子も置いている。
農業の合間には長男明英さん(59)が店の仕事を手伝っている。「○○商品も置いてね」などの要望にしっかり応えているという。父からは「店は地域のためにある」と教えられていた。
益田商店は、益田実さん(56)が創業した。昔は石油も多くの家庭に配達していた。食品や日用雑貨だけでなく金物も扱うなど豊富な品ぞろえで発展した。今も昔からの固定客は多い。
現在は次男将幸さんが引き継いだ。「年金支給日のたびに2カ月分買いだめしたお年寄りの買い物を配達していたこともあった」「今年の旧盆にはオードブルを仕入れて配達してくれと注文があった」と、愛顧を受けていることを話した。
両店は地域に合った商品とサービスを提供し、地域の人々に親しまれる昔ながらの「まっちゃ(太郎商店、益田商店)」ののれんを守り続けている。