04/26
2024
Fri
旧暦:3月17日 先勝 己 
教育・文化
2019年10月5日(土)9:00

泥を塗って厄払い/国指定文化財「パーントゥ」

ユネスコ登録後で初/平良島尻地区


パーントゥに抱きかかえられる子供=4日、平良島尻

パーントゥに抱きかかえられる子供=4日、平良島尻

 国指定重要無形民俗文化財の仮面祭祀(さいし)「パーントゥ」が4日、平良の島尻地区で始まった。きょう5日まで。ユネスコ無形文化遺産に登録後では初めて行われた。体中に泥を塗り仮面をかぶったパーントゥ3体が、集落内を駆け回り、住民や観光客らに泥を塗って厄除けした。集落内は泥を塗られた人の悲鳴と笑い声が響いていた。

 パーントゥが集落のはずれの「ウマリガー」から姿を現したのは午後4時半すぎ。その後は集落内に入り、ムトゥであいさつをした。地域の先輩たちに泥を塗りながら酒を酌み交わした。

 その後、パーントゥは集落中央の道路に集まった市民や観光客を追いかけ回し、捕まえた人に容赦なく泥を塗った。

 子供たちは悲鳴を上げながら泥を塗られた。母親に助けを求めたり、必死に逃げ回る姿も見られた。中には抱きかかえられる子供もいて「助けてー」と泣き叫んでいた。

 パーントゥは建物や自動車などにも泥を塗った。集落内は人も物も泥で真っ黒になっていった。

 ユネスコ無形文化遺産に登録されたのは2018年11月。野原の「サティパロウ」とともに8県10行事をまとめた「来訪神 仮面・仮装の神々」として登録された。

 島尻地区のパーントゥは、数百年前に、島尻でクバマと呼ばれる海岸に黒と赤の仮面が漂着。村人は、この仮面を海のかなたから訪れた来訪神と崇敬した。男が仮面をかぶって集落内を駆け回ったのが由来と伝えられている。

 根間拓也さん、幸恵さん夫婦は、息子の康徳くん(2)の厄払いで訪れた。泥を塗られた康徳くんは「怖くなかった」と平然とした様子。拓也さんは「泣くと思ったら全然平気で驚いた。強い子になりそう」と笑顔を見せた。幸恵さんは「自分が厄年なので厄払いができて良かった」と話した。


記事の全文をお読みになりたい方は、宮古毎日新聞電子版のご購読をお勧めします。
まずは2週間、無料でお試しください。

無料試読お申込み

すでに購読中の方はログイン

カテゴリー一覧

観光関係

2024年4月21日(日)8:54
8:54

「宮古横丁」がプレオープン/観光スポットに期待

ホテルアートアベニュー 平良西里にあるホテルアートアベニュー(旧ホテル共和別館)の1階に、タイ料理など7店舗が入る「宮古横丁」が19日、プレオープンした。経済団体や観光団体など関係者らが盛大に開業を祝った。

2024年4月17日(水)8:58
8:58

専用ターミナルが完成/ビジネスジェット

CIQ施設も設置/下地島空港   三菱地所は、県が推進する下地島空港および周辺用地の利活用事業の一環として「下地島空港における国際線等旅客施設整備・運営およびプライベート機受け入れ事業」の一つとして、下地島空港周辺にビジネスジェット専用施設「みやこ下…

ID登録でパソコン、タブレット、スマートフォンでお手軽に!