被害の範囲が拡大
ツマジロクサヨトウ
キビ農家へ注意喚起
サトウキビの葉を食害するツマジロクサヨトウの被害が広がっている。城辺西東に続き、池間島や伊良部島でも被害があった。11日午後に会見した宮古地区病害虫対策協議会(砂川尚也会長)は「直ちにサトウキビの生産量に影響が出ることはない」とする見解を示しながらも、害虫のまん延防止に向けて警戒を怠らないよう注意を喚起した。被害を見分けるポイントに食害痕を挙げ、葉に丸い穴が開いたような痕を見つけた場合は駆除と関係機関への連絡を呼び掛けている。
宮古島において、ツマジロクサヨトウの幼虫がサトウキビの葉を食害する被害は10月下旬、城辺西東で初めて確認された。11月に入ると池間島、伊良部島でも発生を確認。いずれも新植夏植えのほ場だった。
サトウキビ以外では、カボチャ栽培で使用する防風用ソルゴーなどで被害が確認されている。
被害の広がりを受け、病害虫対策協議会は日、市役所上野庁舎で開いた会合で情報を共有。宮古地区さとうきび技術員会(儀間靖会長)とともに、防除方法などの公式見解をまとめて報道各社に発表した。
被害の状況を踏まえ、県病害虫防除技術センター宮古駐在技師の儀間康造さんは「全域に広がっている可能性がある」と指摘し、ほ場内の観察など農家に一定程度の警戒を促した。
ただ、現時点で過度に恐れる必要はないという共通見解も示した。被害が局所的であることから、JAさとうきび対策室の小林輝彦さんは「被害は増えたが直ちに収穫量に直結することはないと考えている」と話して冷静な対応を求めた。その半面、「楽観することもいけない。カボチャなど他の品目に広げてはならないので、今のうちにたたいておきたい」と述べ、農地観察の重要性を説いた。
防除法は、植え付け後2~3カ月後の粒剤散布。ただし、食害痕や幼虫を見つけた場合は、できるだけ早く乳剤水和剤をかけて駆除するよう促している。