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社会・全般
2020年2月12日(水)9:00

【インサイドリポート】「島」テーマ、無限の可能性/入賞作「ファンタジー」要素多く

宮古島文学賞の役割と可能性㊤


記者会見で入賞作品を発表する(右から)大城貞俊さん、椎名誠さん、もりおみずきさんの最終選考委員=7日、市役所平良庁舎

記者会見で入賞作品を発表する(右から)大城貞俊さん、椎名誠さん、もりおみずきさんの最終選考委員=7日、市役所平良庁舎

 第3回宮古島文学賞の入賞作品が7日に発表された。入賞4作品のうち、3作品が現実離れをした世界観などを描いた「ファンタジー」で、読み手の想像が広がりそうだ。今回は地元の中学生(14歳)の応募もあり、話題性もあった。一方で、「島」という限られたテーマでの継続性を懸念する声や、低年齢層に悪影響を与えかねない暴力的表現などをどうするかなど課題も出た。関係者のコメントなどを交えながら、宮古島文学賞の役割と可能性を探った。

 ■ファンタジー

 最終選考委員長の椎名誠さんは、入賞したファンタジー小説について「物語の構成、文学作品に欠かせない気配というのが上品にまとまっていた」と評価。その上で、「3回目にしてある程度の方向性を得たのではないか。(今後の宮古島文学賞の行方を)暗示させるようなものがある」と話した。

 島内のあちこちに落ちているストレスの固まりを拾って回る「僕」(一席「宮古の花の咲かせかた」、増田哲也さん)、26歳のまま、死ぬこともなく生き続ける運命を背負った青年(二席「あの夏のひと」、岡本直美さん)の上位2作品は異世界との交流が描かれており、ファンタジー的要素が多く含まれている。

 ■テーマは「島」

 「島」というシンプルで限られたテーマは「発想が無限に広がっていく」(椎名さん)。

 ただ、一部の関係者からは「回を重ねるにつれ、テーマや内容が枯渇するのではないか」という懸念の声も上がる。

 椎名さんは「物語や文学はそういうようなものではない。何かの研究論文のテーマではなく、頭の中で書くスタンスを島に置いたということで、かえって大きく広がっていくのではないか」と可能性の拡大に期待し継続を強調した。

 人間や社会の闇や暗部、男女間の愛憎劇などの描写について、市文化協会は「そういった描写は小説には多くある」との認識を示したものの「子どもから大人まで、幅広く読まれる小説を目指している」とし「今後の課題」にとどめている。

 ■宮古枠

 第2回に地元在住の森田たもつさんが一席に輝いた。第1回、第3回でも地元在住および宮古出身者が佳作を受賞している。このことから、「宮古枠が設定されているのではないか」との憶測が飛び交っている。

 主催する市文化協会では審査の公平性を保つため、作者名や出身地などは入賞作品の発表までは非公表にしている。第1次、第2次、最終の選考委員にも知らされていない。

 「宮古枠」は単なる憶測で、主催者では「宮古出身の受賞者が続くのはたまたま」と話す。裏を返せば、宮古島在住者や出身者のレベルの高さを裏付けていることにもなる。

 一方で「宮古枠」を望む声もある。全国的な文学賞となると、方言などを駆使して物語を構成することは非常に難しくなる。このことから、方言を一つの文法記述として、宮古島文学賞の特別賞として設定してみたらどうかというのである。

 地元からの応募者が全体の2割に達していないことなどから、「宮古枠」は地元からの応募者を増やすことにも一役買うのではないかというのだ。

 入賞作品を本にまとめることや、原作を元にした舞台劇というアイデアもある。

 同協会の大城裕子会長は「宮古島ならではの文学賞はどういうものなのか。10年、20年と続けていくためにはどのようにしたら良いのか。まだまだ手探りの状態」という。

 今後は選考委員からの助言や力添えなどを受け、継続、発展に向けた運営につとめる考えだ。


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