官民連携で基金創設へ/市議会一般質問
市が肉用牛増頭向け/下地市長、新里氏に答弁
肉用牛の増頭に向け、市が官民連携の基金を創設する方向で調整に入る。農家の高齢化で先細る生産基盤に対応するため、実効性ある増頭運動を展開して素牛産地のブランドを守る。下地敏彦市長は11日の市議会12月定例会一般質問で「総合的、効率的に推進する組織がいる」と強調し、協議会等の設置に言及。「そのためにもいろいろな資金が必要になる」と述べた。
肉用牛振興に関する市長の見解は、新里匠氏の質問に答える形で示された。
畜産農家への投資を求める新里氏に対して下地市長は「(行政として)かなり手厚くそれぞれの事業を展開してきたが、なぜ増えないのか。その理由についてはやはり高齢化という問題がある」と指摘。「このままでは畜産が成り立たなくなるという危機感がある」と畜産業の現状を憂えた。
その上で、行政、民間それぞれの取り組みに触れながら「今後は、総合的、効率的に推進していくための組織がいる。例えば、肉用牛増頭協議会みたいなものをつくって、その中で農家と私たち行政機関が一緒になって考えていくということが必要だ」と述べた。
これに加えて、「いろいろな資金が必要になってくる」と増頭基金の創設を示唆した。ただ、「すべて市に補助金を要求するという考え方ではなく、畜産農家の人たちにもそれぞれ牛を増頭するための協力金というか、そのための資金を提供していただきたい」との考えを示した。「当然市役所もやる。互いに協力しながらやらないとこの問題は片付かない」と強調した。
今後は「農家、和牛改良組合とも話をしたい。どうやるんだと。一緒にファンドをつくってやるかという話をやってみたい」と民間と連携した新たな資金づくりに強い意欲を見せた。
市によると、競りに出す牛の頭数は毎月400頭を目指している。ただ、松原清光農林水産部長はこの日の答弁で、「目標には到達していない状況にある」と説明。「母牛の頭数をいかに増やしていくか。生産者の高齢化はおのずと進むことから、中間的な同業者や畜産業者が平均頭数を増やしていくための仕組み作りが重要となる」と答えた。