販売額は36億300万円/コロナ影響も持ち直し
子牛1頭平均は61万円台/20年度牛競り実績
JAおきなわ宮古地区畜産振興センターは19日、宮古、多良間両家畜市場の2020年度肉用牛競り販売実績をまとめた。新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、販売額は36億323万円で前年度と比べて5億円減少した。ただ、年度後半に子牛価格が持ち直す回復基調の動きが見られるなど新年度競りに向けて一定の期待を残した。20年度の子牛1頭平均価格は61万3939円、平均キロ単価は2283円だった。
宮古は12回、多良間は7回の競りを開いた。主流となる子牛の上場頭数は宮古が4155頭、多良間は1381頭だった。前年度との頭数比較は宮古が179頭減、多良間は29頭増。
全体の子牛1頭平均価格は前年度と比べて7万553円安かった。市場別では宮古が63万4266円で同比6万3890円減、多良間は55万2767円で同比8万8201円減だった。
平均のキロ単価は宮古が2303円で同比258円安、多良間は2216円で同比406円安かった。
この結果、販売額は両市場ともに減少した。成牛を含む全体の販売額は宮古が前年度比4億1900万円減の27億9799万円、多良間は同比8135万円減の8億523万円だった。
取引額減少の要因は新型コロナ。インバウンド(訪日外国人)の減少で和牛の消費量が落ち込み、枝肉の相場が大きく下がった。その影響を素牛(子牛)市場も直接受けた形だ。
ただ、年度中盤から少しずつ競り値が上昇した。後半になると枝肉の相場も戻り始めて素牛価格も引き上げに転じている。要因はJA宮古地区畜産振興センターで分析中だが「相場が下がらないのは牛肉が消費されていることの裏付け」としており、コロナ禍における牛肉の家庭内消費が伸びている可能性に触れた。
その上で荷川取努センター長は「このコロナ禍の中で何とか価格を保つことができた」と振り返り、「競りに出す牛の発育も良い牛がそろってきた。新年度も期待したい」と話した。