市総合物流センター 来春稼働
ストック機能が強化/平良港
台風時の品薄解消に期待
増加が見込まれる物流需要に対応するため、宮古島市が建設を進めている平良港漲水ふ頭に荷さばきとストック(物を蓄える)機能を持った「平良港総合物流センター」の7月末時点の進捗(しんちょく)率は68%となっており、2022年春の供用開始に向けて順調に工事が進んでいる。先月の台風6号は停滞して迷走するなど影響が長期化。それに伴い島への物流も長期間停滞した。同センターが完成すれば島内のストック機能が強化されることから、迅速な供給体制の構築に向けても期待が高まっている。
同物流センターは、近年増加する物流量に対応するほか、台風等の悪天候による物流の停滞を防ぎ島内ストック機能の強化と、多良間島への物流の迅速な供給体制の構築を目的としている。
台風が接近、直撃するたびに島内のスーパーやコンビニエンスストアの商品陳列棚には「品切れ」の張り紙がされてきた。
同センターが稼働すれば、島内における物資のストック機能強化が図られることから、こうした課題にも対応できそうだ。
同センターは縦37メートル、横99メートル、高さ10・5メートルの2階建てで延べ床面積は4020平方メートル。このうち3000平方メートル以上が貨物に対応する吹き抜け構造。
工期は22年2月末までで、総事業費は約17億円。21年度の事業費は9億5000万円。事業費は沖縄振興特別推進交付金(特別枠)を活用。補助率は8割。
平良港は下崎地区も含めて宮古島の物流拠点。近年、取り扱い貨物量が増加しており、年間約90万トンが平良港から入ってきており、島内への貨物は全体の99%以上に対応している。
現在、荷さばきのみを目的とした上屋倉庫が3棟あり、3棟合わせて約4600平方メートル規模となっているが、ストック機能が不十分となっている。