泡出るのが名前の由来
県民カレッジ講座
下地さん
泡盛の歴史解説
おきなわ県民カレッジ宮古地区広域学習サービス講座「泡盛をもっと知ろう!」が12日、宮古教育事務所で開かれ、泡盛ライターの下地恵子さんが泡盛の歴史について解説したほか、受講者は城辺砂川にある泡盛酒造所多良川の工場を見学した。
泡盛は14世紀ごろタイから琉球に製法が伝わったといわれ、原料は主にタイ米。蒸留酒で発酵に黒麹菌を用い、アルコール度数は45度以下で焼酎乙類に分類される。与那国島の酒造所で作られる「どなん」は60度あり、分類上は「原料用アルコール」となる。
下地さんは泡盛の名前の由来について「製造過程で泡が出るから」「粟(あわ)で作っていたから」「薩摩の商人が付けた」「インドのサンスクリット語で酒のことをアワムリという」などと諸説を紹介した上で、「八重山の祖納地域の行事で神様にささげる泡盛はよく泡が立ったものが良いとされていた。名前の由来は泡が出るからというのが定説となっている」と話した。
宮古島での泡盛製造の歴史もひもとき、「本格的な製造は1924年に沖縄本島から麹職人を連れてきた野村安重の野村酒造所が最初。28年には和歌山県出身の中尾平太郎の中尾酒造所が創業した。中尾酒造所は65年に宮の華創業者下地盛昆の長男潔に菊之露酒造所として引き継がれた」と解説した。多良川、沖の光、池間、宮の華、渡久山は米民政府によって酒造免許が自由化された48年ごろ創業した。
下地さんは出荷量が年々減少している泡盛業界を憂い、「泡盛は置いているだけで3年たてば古酒になる。誰でもできるので、多くの人に泡盛を購入して古酒を作ってもらいたい」と呼び掛けた。