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行雲流水
2015年7月7日(火)8:55

「言論の自由を」(行雲流水)

 「私はあなたの意見に反対である。しかし、あなたがそれを主張する権利を私は命をかけて守る」。フランスの作家・思想家ヴォルテールの言った言葉である。言論・表現の自由が、民主主義にとっていかに大切かという認識から出た言葉である

▼その対極にあるのが、言論弾圧である。「沖縄の新聞はつぶせ」、「広告料が入らないよう、経団連に働きかけて懲らしめろ」などの暴言は、自由な言論を封じ込めようとする動き、そのものである

▼本土防衛のため、過酷な戦争の犠牲を強いられ、戦後も長年米国支配下で人権を蹂躙(じゅうりん)され、今なお過剰な基地負担を強いられている不条理に対する沖縄県民の思いに沿う県紙の「反戦」のスタンスは当然で、全国的には、そのことに対する理解の不足がむしろ問題である

▼「過去に目を閉ざす者は結局のところ、現在にも盲目になる」。今年の1月亡くなった、ヴァイツゼッカー元ドイツ大統領が、ドイツ敗戦40周年に行った演説の一部である。この演説は国の内外で大きな反響を呼び、「ドイツの良心」と呼ばれ、戦争の加害者、被害者の違いを超えて、新しい時代へ向かわせる大きな力となったと言われる

▼若者に対して、この演説は呼びかけている。「自由を尊重しよう。平和のために尽力しよう。公正をよりどころとしよう。正義について、内面の規範に従おう。真実を直視しよう」

▼ユネスコ憲章(前文)は謳う。「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」。

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