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社会・全般
2008年10月26日(日)17:48

「雅太鼓」音楽は国境を越えて!18年の歩み、今もなお

ジュニア育成が目標  雅(・みやび・)太鼓
 十八年前の同紙で「雅太鼓の女性八人が韓国の民族芸能(サムル・ノリ)に挑戦」の記事が載る。その後、会員は、華々しくデビューし宮古まつりや世田谷祭り、マティダ市民劇場開館記念公演など、方々で激しくも躍動感のある音楽を奏で聴衆を魅了してきた。当時二十代の会員は、今では立派な母親。生活環境も変わり、以前ほど活動はできないものの、音楽への思いはともし続けてきた。先月、「室蘭(・むろらん・)よさこいソーラン」の歓迎交流演舞会があり、久しぶりにマティダ市民劇場で公演した。華やかなステージに会場からは万雷の拍手。再び太鼓への情熱がよみがえる。

  
 会長の新城久恵さんは、高校生のころから音楽を一生の仕事にしていきたいと思い始めていた。そのため、岡山県津山市にある作陽音楽大学附属高校(現在、倉敷市に移転)に転入、大学を卒業して音楽の先生にと将来の夢を描いていた。郷里に帰って祖母の経営する幼稚園を手伝うことになり、その夢を幼児音楽教育に傾けていった。
 
 十八年前、沖縄本島で行われた日本レクリエーション研修会(一九九〇年二月)で知り合った韓国のカン・ヨルさん(現在、釜山東亞大学教授)との出会いがサムル・ノリを演奏するきっかけになった。その前から女性八人で和太鼓や琉球太鼓を中心にした「雅太鼓」を結成させ始動したばかりだった。カンさんは、サムル・ノリの伝承者で関心を示した新城さん(当時は岡本さん)たちに指導をするため来島した。
 
 サムル・ノリは、古くから祭りや正月に欠かせない民俗芸能。四から六種類の打楽器を早いテンポで打ち鳴らしながら踊るなか、躍動感がみなぎり享楽の渦をつくるというもので、元々は農民の間で広まったレク。野良仕事の合間、次への活力をたくわえるため歌い踊った。新城さんは宮古のクイチャーに相通じるものを感じ取ったようだ。
 
 使われる楽器は、日本の鼓(・つづみ・)を大きくしたようなチャンゴ。この楽器は五世紀宮廷の音楽に使われていたといわれ、民謡や仮面劇の伴奏、能楽などのリズム楽器として重要な役割をもつ。右側は、牛の皮でできていて、竹のバチで叩(・たた・)く。左側は、馬の皮で低音が出るため、グングルチェというバチで力強く叩く。和太鼓に似たプックは低音でバスの代わりをしてくれる。フライパンを小さくしたような金属楽器ゲンガリは、コンサートマスター的な役割をする主導楽器。日本のドラに似たチンは、音色やリズムの違う三つの楽器の音を一つにまとめてくれる。
 
 当時カンさんは、釜山(ぷさん)に住む野外活動情報センターの事務局長で、研修会に参加していた。新城さんと意気投合し、たっての願いでその年の六月、宮古まで来てもらい、雅太鼓にサムル・ノリを指導してもらう。もともと音感のこえた会員は、二日間でほぼ韓国のリズムをマスター、カンさんも驚くほどの上達ぶりに、楽器をプレゼントしたほどだった。集中指導を受けた会員は、翌月の宮古まつりでデビューした。
 
 その後、和太鼓、琉球太鼓、ラテン楽器などジャンルを問わない打楽器のリズムをアレンジ、研究する中で楽しむ。残波大獅子太鼓、鼓童、きみこ太鼓など、他団体との交流も図ってきた。そんな中、二〇〇四年には、釜山シーフェスティバルに出演、民間交流大使として釜山市より「市民の鐘」を頂く。さらに〇六年にも「アジアマジックフェスティバル イン プサン」に琉舞で出演した。カンさんとの出会いが、韓国との交流を深めている。
 
 十八年も続いている秘訣(ひけつ)を新城さんは「なにごとにおいても、みんな常に前向きで、集まるとやる気、勇気、元気、笑顔がわいてくる。それぞれ仕事、家庭をもっているので、支障のない範囲で太鼓をバランスよく生活に取り入れ、いずれは「雅太鼓ジュニア」を結成することと笑う。
  
ジュニア誕生/夢も実現可能に
  メンバーの一人、上地薫さんの娘、萌生(・もえ・)さん(北中二年生)は、音楽好きな母親のDNAを受け継ぐ。部活でも吹奏楽部に入り、パーカッションを担当。雅太鼓では、去る十二日に開かれた「今年最後のビアフェスタ」(十月十二日)でデビューした。担当はチン。みんなの音をまとめる大事な役割だ。「みんなで楽しく演奏できるから大好き」と、とりこになった様子。
 薫さんは新城久恵さんの妹。最初のころから一緒に活動する。新城さんは「会を結成するころから、いずれはジュニアも誕生させたいね、と話していた。姪(・めい・)が関心をもってくれて喜んでいる」とうれしそう。さらに、加島さんの娘・未奈子さん(中二)と歌苗さん(中一)、小禄さんの息子・航平くん(小五)も最近関心をもつようになり、「ジュニア」誕生も夢ではなくなった。


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