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社会・全般
2008年12月2日(火)17:29

問われる飲酒のあり方

酒気帯び運転、未成年飲酒1日に3件発生/大人に責任と自覚を
 十一月三十日は飲酒に絡む事故や検挙、補導が一気に三件も発生した。特に介護士の女が酒気帯びで起こした事故では、男子高校生が脳挫傷で意識不明の重体となり島全体に大きな衝撃を与えた。また池間島でも飲食店従業員が無免許で飲酒運転し現行犯逮捕されたほか、高校生十二人が市内のペンションの一室で集団飲酒し補導される事件も発生。未成年の飲酒は増加傾向にあり、それに絡む悲惨な事故も発生し各方面で防止策が叫ばれる中で大人は子どもたちの模範となっているだろうか?

■飲酒場所は学校 
 三十日に発生した酒気帯びの事故と検挙は、同日に池間島で行われた「池間民族のつどい」の参加者が逮捕された。
 事故を起こした女は、バレーボール競技に参加した後、早めに競技が終わったことから会場となった小学校の体育館で参加者らと飲酒した後、車を運転しバイクと衝突事故を起こした。
 事故を起こす前に飲酒した場所が教育現場である小学校の体育館だったことから、教育関係者にも衝撃が走った。
 池間小学校の辺土名則子校長は「池間自治会から『池間民族のつどい』の会場としてグラウンドと体育館を使わせてほしいとの要望を受けて、体育館のカギを預けた。懇親会は別の場所でやると聞いていたのでまさか校内で飲酒しているとは思わなかった。日ごろから校内での飲酒禁止を訴えていただけに驚いている」と話した。
 池間自治会総務担当の仲間章郎さんは「懇親会の場所は別で設定してた。学校内で飲んでいたのは知らなかった」と話した。
 
■校内飲酒根絶
 先月五日、宮古島警察署協議会(池村英三会長)と宮古島警察署(前泊良昌署長)は市教育委員会の下地恵吉教育長に対し「教員および親が校内で飲酒することは教育上問題がある」と訴え、下地教育長もそれに理解を示した。
 今回、学校内で飲酒した女性が起こした酒気帯び人身事故について、下地恵吉教育長は「学校で飲酒することに対する違和感が少ないことも影響していると思う。教育の現場である学校内での飲酒は慎むようこれまでも訴えてきたが今後、学校、地域、PTAに『校内飲酒根絶』を最重要課題として訴えていく」との姿勢を示した。
 
■「飲酒のあり方」
 宮古島署管内では未成年の集団飲酒のうち、学校が飲酒現場となった事案が他の地域よりも多いことから、学校内における飲酒の是非が今、教育現場で議論されている。
 前泊署長は「学校内の飲酒について私たちが口出しすることではないが、子どもたちは大人の姿を見て育つ。飲酒のあり方について見直し、考える時期に来ていると思う」と述べた。
 
 「酒社会」と称される宮古。実際に飲酒の機会、量も他の地域に比べても多く、泡盛メーカーも多数存在する。
 酒(泡盛)は宮古島の産業、文化、経済にとって大切な宝でもある。しかし、飲酒に絡む事件や事故が多発することはその宝を汚すことにもなる。
 宮古における「酒社会」の意味が飲酒量と、それに絡む事件事故が多いとして認識されるのではなく、「飲酒のルール、秩序がしっかりと構築されている」ことが大切。
 大人は今、子どもたちのために自らの「飲酒のあり方」について問い、自覚や責任について考える時期に来ている。


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