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社会・全般
2010年2月23日(火)17:49

どうなる生活物資輸送/平良港湾整備(上)

安定流通に不安の声/早期整備の声強まる
船舶大型化で接岸さらに困難に/災害時未対応も懸念

第1、第2、第3ふ頭が突き出た「くし形」の港となっている現在の平良港

第1、第2、第3ふ頭が突き出た「くし形」の港となっている現在の平良港

 宮古への生活物資の約98%は平良港から入る。圏域最大の物資の玄関口である平良港は島の住民生活を支える最重要施設だ。しかし、平良港の現状と将来について、各方面から不安視する声が広がっている。その一つが大型化する貨物船舶に対して港の構造が対応しておらず、今後の安定的な物資輸送を危ぶむ声だ。もう一つは、生活物資を取り扱う県内の「重要生活港湾」(那覇港、平良港、石垣港)の中で平良港だけがまだ大規模震災に備えた耐震バースの整備が行われていない。平良港の現状は「災害時」にも「将来の安定物資輸送」にも対応していない。

 
■平良港の現状
 現在の平良港の構造は、第1、第2、第3ふ頭がそれぞれ突き出た形の「くし形」に設置されており、年々大型化している貨物船舶のスムーズな接岸に対応していない。
 大型船舶は平良港の第2ふ頭に接岸しているが、高い操船技術が必要で、特に冬場の北風が強い天候時は困難を極めている。
 先月、宮古島市港湾課に対して早期の平良港湾整備を求めた琉球海運の佐々木良美船長は「平良港への接岸は本当に怖い。冬場は特に危険」と話した。
 船舶の大型化に対応していない現状の平良港について市、宮古の経済界、港湾利用者とも安定物流が今後は確保できなくなる可能性が高いとみて危機感を募らせている。
 こうした課題を克服するために、市では2年前に港湾計画を改定し、平良港漲水地区再編事業として国に要請しているがいまだに認められていない。
 
■大型船舶の接岸
 市の港湾課によると「くし形」の港は1000㌧クラスの船が利用する場合には効率が良いが1万㌧クラスの大型船舶には向かない。
 平良港で、大型の貨物船舶が接岸する場合は、第2ふ頭を利用。接岸する際には、船首からではなく、船尾から第2と第3ふ頭の間に進入し船体右舷を第2ふ頭に接岸させている。
 船尾から進入する理由は、荷物出入り口が船体の右舷にあるからで、大型船舶は防波堤を過ぎ、いったん船首を陸とは逆に向け、アンカーを活用する高度な操船作業で船体を岸壁に接触させないよう慎重に船尾から進入し接岸している。
 
■接岸時の危険
 1万㌧クラスの大型貨物船の長さは約160㍍。しかし、平良港の第2ふ頭と第3ふ頭の間はその船体よりも短い150㍍しかない。
 長さ150㍍以上ある船舶を船尾からほぼ同じ長さの第2と第3ふ頭の間に入れる操船は通常時でも高い技術を要する上に冬場に北風が強くなると接岸は困難な状況となり危険を伴う。
 大型船舶の接岸をスムーズにするために市の港湾計画では、第2と第3ふ頭の間を埋め立ててふ頭用地を確保し、大型の旅客船舶も容易に横着けできる340㍍の泊地を設けている。
 さらには耐震バースを整備し、大規模災害発生時の緊急物資輸送などへも対応した整備計画となっている。
 
■就航船舶
 現在、宮古に5000㌧以上の貨物船を就航させているのは琉球海運のみで、%を占める宮古の物流の中核を担っている。
 同海運の就航船舶は5隻。そのうち、1万㌧級は「わかなつ」(10815㌧)と「かりゆし」(9943)㌧。
 そのほかの「しゅれい」「にらいかない」「みやらび」は3隻とも5000㌧級で現在、宮古への物資輸送は5000トン級の3隻が中心となっている。
 しかし、先月日に1万㌧級の「わかなつ」が平良港に就航した際、北風の影響で接岸できずに風が収まるの長時間待ち続けて結局出港が大幅に遅れ、大型船の接岸が困難であることが改めて示された。
 
■要望と要請
 このような状況から、先月、琉球海運宮古支店の塩川博司支店長と佐々木船長が宮古島市の港湾課に対して大型化する貨物船舶に対応した港湾整備を求めた。
 こうした声を受け、経済界も宮古物流の最大の玄関口である平良
港の将来が危うい状況にあるとして、先月日に下地敏彦市長に港湾整備を求める要望書を提出。
 下地市長も早期整備は必要との姿勢から、経済界と合同で政府や県選出国会議員らに対する要請行動を展開した。
 要請の手応えについて下地市長は「良い返事が得られると期待している」としているが、事業仕分けなど政府の新規事業認可に対する姿勢は厳しいことから、平良港整備の先行きはまだ不透明となっている。


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