相談43件 多重債務多い/宮古島法テラス
事務所開設から1カ月
法テラス宮古島法律事務所は、9月1日の開所から1カ月経過した。1カ月の間に寄せられた相談は、43件。多重債務や夫婦間のトラブルが多い。20営業日の1日平均相談は約2件で、6件の日もあった。
同事務所には弁護士の新畑康さんが常駐し、相談に応じている。
相談内容は多い順に夫婦間トラブルなどの「家事」が11件、多重債務などの「債務整理」9件、物件の売買などに絡む「債権債務」9件、「不動産」関係6件、刑事事件に関する「国選」が2件となっている。
「債務整理」の相談は、多重債務が大半を占める。10カ所近い消費者金融から借金している人もいるという。支払い能力の限度を超えた場合の処理ケースは、自己破産がほとんど。破産の法手続きは、弁護士費用を法テラスが立て替えて、後に分割支払いする民事法律扶助制度が活用できる。
「家事」は離婚やその際の慰謝料、親権、養育費、配偶者の不貞、婚約破棄など多岐に及ぶ。相談は「離婚したくないがどうすれば?」「不貞の相手に慰謝料を求めたい」-などさまざまという。
不動産関係では、家賃や地代滞納、建物明け渡しなどの相談がある。
新畑弁護士は「法テラス宮古島は、ひまわり基金法律事務所だけでは、待ち時間が長いという状況を受けて開設された。以前より相談がスムーズになった点で、意味があるのでは」と1カ月を振り返った。
法律相談は、原則として有料。ただし、世帯の収入によって3回まで無料で受けられる。
「法テラス」は、法で社会を照らしたい意味と、利用者がくつろげるテラスのような場所でありたい思いを込めて名付けた愛称。宮古島事務所は、弁護士が極めて少ない司法過疎地域の対策業務として開設した。