宮古高校生物部が最優秀賞/崇城大学エコデザビオトープコン
多種共存を目指す設計
崇城大学主催のエコデザインプロジェクトビオトープコンテスト部門で宮古高校生物部が作成した設計が最優秀賞を受賞した。同大学の森山聡之准教授が16日、同校を訪れ生物部員に賞状と記念品を授与した。森山准教授は「このプロジェクトは初めての試みで、宮古高校の発表内容は素晴らしい内容であり、提案だった。審査した学生たちも同じ感想を持っていた」と絶賛した。
部員を代表して、賞状を受け取った西里公作君(3年)は「今回の応募は、自分たちとしては新しい作業だった。部内でいろいろなことを討論して研究が進められたことが今回の成果であり、受賞できて本当にうれしい」と述べた。
同校の川満健校長も「発表内容のレベルの高さに高校生でもここまでできるのかと驚いている。生物部で頑張った西里君は長崎大学に合格した。大学でもいろいろなことを学んで将来は宮古のために頑張れる人材になることを期待している」と話した。
宮高生物部のメンバーは、西里君と一緒に今回の設計図作成を行った垣花武志君(2年)のほか、下地真生さん(同)、加島未奈子さん(1年)、比嘉望美さん(同)、平良晃嗣君(同)の4人。
ビオトープとは、野生の生き物が生息できる場所を指し、急速に都市化が進み、多くのビオトープが失われた近年、自然との共存が持続的な社会を支える土台であるとして、人工的にビオトープを作る活動が盛んになっている。
同大学では、大学内の防災調整池を、戦後から高度成長期前の自然状態の池に近づけるためのビオトープ設計図の募集を行ったところ8グループからの応募があり、宮高生物部の設計が最優秀賞に輝いた。
宮高生物部の設計テーマは「多種共存を目指したビオトープ」で、一般の人が観察でき、環境学習に利用できる場として、なるべく手入れをせずに維持できるメンテナンスフリーを目指している。
外周に巨石(直径約20~30㌢)をすき間ができるように組み合わせ、そのすき間を甲殻類や魚類などの生息場所としているほか、魚類やヤゴなどの水生昆虫の生息環境創出のためになるべく複雑な環境を作り出すことが必要として流木も導入している。
こうしたアイデアが高く評価され、同校の設計は最優秀賞となり、学内の池にはこのアイデアの多くが取り入れられ、現在も自然状態の池に近づける取り組みが展開されている。