米軍機が宮古空港に着陸
自粛要請の中、強行/13日も使用へ
神奈川県の米軍厚木基地から飛来した米海軍所属のC9輸送機1機が11日午前、県や市、市議会などが使用自粛を求めていたにもかかわらず宮古空港に強行着陸した。空港周辺では、市民団体や労働組合などのメンバー約80人が「民間空港の軍事利用は許さない」と抗議行動を展開した。13日も午前9時40分~午前11時10分まで使用するとしている。
米軍機の飛来は、12日にマティダ市民劇場での米海軍第7艦隊音楽隊演奏会に参加する音楽隊と荷物の輸送が目的。
仲井真弘多知事は11日、「米軍機による民間空港の使用自粛を繰り返し求めているにもかかわらず、今回、米軍機が宮古空港を使用したことは遺憾である」とのコメントを発表。下地敏彦市長は「自粛を求めていた中での使用は遺憾。今後とも緊急時以外は、宮古空港を使用しないよう強く求める」と述べた。
輸送機は、午前11時27分に宮古空港に着陸。音楽隊や楽器などの荷物を降ろした後、午後0時13分に厚木基地向け離陸した。市空港課によると同空港を離発着する民間機への影響はなかった。
音楽隊らはバスで市内の宿泊先に向かったが、空港出入り口周辺には連合沖縄地域協議会などの労組や下地島空港の軍事利用に反対する宮古郡民の会などの市民団体が「米軍機の宮古空港使用反対」などと書いた横断幕を掲げ抗議。「米軍は出て行け」「われわれは歓迎しない」とシュプレヒコールを上げた。
県は「緊急やむを得ない場合を除いては、米軍は民間空港を使用すべきでない」とした自粛要請を在沖米国総領事などへ提出、下地市長は自粛を求める声明を発表し、市議会も全会一致で決議していた。
市民団体や労組などは、きょう12日も演奏会場前で抗議行動を実施する予定。
同音楽隊の演奏会は今年9月5日にマティダ市民劇場で予定されていたが、台風による悪天候を理由に延期していた。
米軍機の宮古空港使用は、2003年4月に給油目的で海兵隊の空中給油機1機と、中型ヘリ6機が離着陸して以来7年ぶり。今年9月21日には、米海軍佐世保基地に配備されている掃海艦が平良港に初入港、同月24日まで寄港した。