新宮古病院が着工/総事業費68億円
13年5月の開院目指す
県立新宮古病院の施設整備工事安全祈願祭が19日、建設現場(旧宮古農林高校グラウンド跡地)で行われ施設の建設工事が着工となった。建物本体工事の完了は、2012年11月30日を予定し外構工事などを経て、開院は2年後の13年5月を目指している。同病院の安谷屋正明院長は「新宮古病院の建設のために長年多くの関係者が取り組んできたことを考えると感慨深い。設備も充実し職員の資質の向上も図り、中核病院として圏域医療の充実を図っていきたい」と述べた。
祈願祭では玉串の奉納のほか、県の与世田兼稔副知事、県病院事業局の伊江朝次局長、安谷屋院長の3人によるくわ入れも行われ、工事期間中の安全を祈願した。
神事の後には直会が行われ、与世田副知事は「現在の宮古病院は機能の充実化、施設の老朽化が課題だった。県としては新宮古病院の改築を機にこれらの課題の解消を図り地域医療支援、大規模地震に対応可能な災害拠点病院としての役割が果たせるよう整備していく」とあいさつした。
そのほか、伊江局長、施工者を代表して國場組の国場幸一社長があいさつを行い、工事の安全実施に意欲を示した。
現在の宮古病院は駐車スペースが狭く、本館と管理棟は築30年以上、新館と精神科病棟も約25年が経過している。新病院は設備や療養環境も充実して新しく生まれ変わる。
建物はコンクリート造の6階建。敷地面積が2万2914平方㍍、延べ床面積2万409平方㍍。建設総事業費は約68億円を見込んでいる。
診療科は20科目で、合計病床数は277床を予定。駐車スペースは、現在の240台から100台以上増やし350台分を確保する。 個室は新たに55室を設置。NICU(新生児特定集中治療室)は、現在の8床を10床に増やす。
大部屋は現在の1室6床を4床に減らし、一人当たりのスペースを広くする。
新病院は低層部が外来・中央診療ブロック、高層部が病棟と、二つの部分から構成される。
1階には外来診察室や放射線検査室、救急などのほか、市夜間診療所も設置される。
施設整備工事の1工区、同2工区は國場組、古波蔵組、大成土建3社による特定建設工事共同企業体(JV)が落札した。