規格外品処分で成果/11年産マンゴー出荷終了
2011年産マンゴーの出荷が、ほぼ終了した。今年は収穫前に襲来した台風2号の影響で、傷付いた所が黒くなるマンゴーが多く発生した。
マンゴー栽培では、台風のない年でも、低糖度や色や形の悪い規格外品が発生しその処分が課題になっているが、宮古島マンゴー出荷組合(上地克冶会長、組合員16人)は今年初めて約1㌧を四国の菓子メーカーに販売した。上地会長は「本土に販路を開いたことは、明るい材料」と話している。
組合員16人のマンゴー園からは台風が来なくても毎年、約9㌧の規格外品が出るという。従来は個人で、島内の食品加工業者に販売していた。
取引先は愛媛県松山市の菓子メーカー「イヨタ」。マンゴーの「バームクーヘン」と「パイ」を製造販売している。バームクーヘンには、上地会長が製造した黒糖も使用するなど、宮古島にこだわった。
マンゴーを使った「イヨタ」の菓子は、同組合が7月8~14日にかけて東京新宿駅西口で開催した「宮古島マンゴーまつり&観光・物産展」にも出品され好評を博した。
上地会長は「規格外品の販路確保は大きな課題。今後は、他の菓子メーカーにも働き掛けたい」と意欲を見せている。
ある農家によると、例年の規格外品(青果として売れないマンゴー)比率は10%弱だが、今年は15%出た。贈答用になるきれいなマンゴーは50%、少し傷付いてはいるが店頭で売れるものが35%だった。同農家は「高く売れる高級品の割合が減り、経営に影響している」と話した。