4小学の統合に反対/市教委説明会
福嶺住民が反発/複式解消へ理解求める
福嶺学区の住民を対象とした市教育委員会(宮国博委員長)による「学校統合基本方針説明会」が7日夜、福嶺小学校で開かれた。宮国委員長は、教育委員会が示す学校統合計画に理解を求めたが、小学校の統廃合に関しては参加者から「複式学級が良くないという根拠は何か」「地域の声を無視するのか」などと反対する意見が続出した。
8月30日の宮原学区、同31日の城辺学区に続き開催された同説明会。教育委員会の基本方針では城辺地区の小学校は2016年度までに福嶺、城辺、西城、砂川の4小学校を統合するとしている。
福嶺小、中学校のPTAや地域住民、学校関係者など会場に集まった大勢の参加者に対し宮国委員長は「今、小学校は全体の約3分の1に当たる6校で複式学級があり、今後さらに増えることが見込まれ、早めの対応が必要。通学距離など環境が変わるが、スクールバスの導入などで児童生徒に負担が掛からないような対応を考えている」と小学校統合案に理解を求めた。
質疑では「複式学級がだめという理由を説明して」、「説明会開催前に市長への答申を済ませたことは市民を無視している」、「地域の実態を踏まえる前に方針を決めるやり方が間違っている」など、統廃合を行う方針を示している教育委員会を非難する意見が噴出。しかし宮国委員長は「過去のアンケートで複式学級よりも単式学級の方が良いということは多くの市民が認めていること。地域の人たちと意見交換し理解を得ながら進めていきたい」とあくまで統廃合を行っていく方針を示した。
「地域がこれだけ反対しているのに無理にでも統合するのか」との質問に対して宮国委員長は「賛否がある問題なので、反対意見があるから白紙に戻すとは現時点ではならない。今後の流れの中で修正が出てくる可能性はある」と回答。1973年の文部省(当時)通達で「無理な学校統合を行い、地域住民等との間に紛争を生じたり、通学上、著しい困難を招いたりすることは避けなければならない」などとあることをについて見解を求められると「今は協議している段階で、紛争状態では全くない」との考えを述べた。
そのほか「学校がなくなれば人口が流出し地域が廃れるので統廃合には反対」「統廃合の前に地域活性化策を検討し人口を増やす努力をすべき」「校区を撤廃して行きたい学校に通うことができるようにできないか」「そもそも市町村合併したことが間違い。すべてが平良に集中し、地方が切り捨てられている」などの意見が挙げられた。