がん検診受診率が大幅減少/宮古島市12年度
肺、胃、大腸とも過去最低
ここ数年、宮古島市のがん検診の受診率が大幅に減少するとともに減少傾向に歯止めがかかっていない。2012年度は肺がん、胃がん、大腸がんの3検診とも過去最低を更新。市福祉部健康増進課では積極的な受診を呼び掛けた上で「がん検診やがんという病気に対する意識が希薄になっている感じがする。また、検診で再検査となっても検査をしないケースも多い」と話し、健康に対する意識の高揚を呼び掛けている。
それぞれの2012年度の受診率は、胃がん6・6%で、08年の9・0%から年々減少傾向が続き始めて6%台の過去最低となった。
肺がんは、13・2%で08年の22・8%から9・6ポイントも減少し、過去最低を更新した。
大腸がんも9・1%で08年の13・2%から4・1ポイント減少。12年度は初めて1桁台となり、過去最低となっている。
1日に行われた2013年度市健康増進計画推進会議の中で示された「市における主要死因の変化」(2011年)の資料でも、悪性新生物(がん)が年間死因のトップで168人となっている。
がんによる年間死亡者数は年々増加傾向にあり、2005年の138人からも30人増え全体の33%を占めていることから同課ではがん検診における早期発見と早期治療が必要としている。
がん検診の受診率低下は現在の特定健診保健制度がスタートした08年から肺、大腸、胃のがん検診の受診率は軒並み減少した。
特定健診の導入当初は公民館などで実施する「集団健診」ではがん検診を実施していたが「個別検診」(登録医療機関で実施)で実施していなかったことから受診率が低下した。
さらに、年々「個別検診」での受診者が増え、がん検診の受診率低下に拍車がかかった。
こうした状況から、11年度から「個別健診」でも「胃」と「大腸」のがん検診が一部の医療機関で実施し、12年度からは「肺」も一部の医療機関でできるようになったが受診率の減少に歯止めがかかっていない。
同課では「市としてはがん検診を受けやすいように窓口を増やしているが、なかなか受診率が向上しない。特に40~60代のがん検診に対する意識が薄くなっているように思う。早期発見、早期治療のためもの検診を受けるとが大切なのでぜひ、検診を受けてほしい」と訴えた。
今月13日からは特定健診の集団健診がスタートする。集団健診の会場ではがん検診も行っていることから同課では積極的な受診を呼び掛けている。