降水量9、10月 平年の半分以下/宮古島地方
キビへの影響、深刻/まとまった雨見込めず
少雨傾向が続く宮古島地方でサトウキビへの被害が深刻になっている。宮古島地方気象台では今後しばらくはまとまった雨は見込めないとみており、被害の拡大が懸念されている。気象台によると今年9月、10月の降水量は各観測地点とも平年に比べ半分以下。近日中にも「少雨情報」を出して注意を呼び掛ける予定だ。
9月の降水量を観測地点ごとに見ると一番低かったのは城辺新城の37・0㍉(平年値194・7㍉)。次いで平良下里89・0㍉(同230・0㍉)▽多良間空港98・0㍉(同279・2㍉)▽下地島空港90・5㍉(同237・6㍉)-で、いずれも平年と比べ半分以下だった。
10月は▽平良下里34・0㍉(平年値156・2㍉)▽下地島空港40・5㍉(同155・9㍉)▽城辺新城38・0㍉(同154・7㍉)▽多良間空港57・5㍉(同203・5㍉)-と各地点とも平年に比べ20%台とかなり少なかった。
気象台では今後1週間はまとまった雨は期待できないとして、近日中にも「少雨に関する宮古島地方気象情報」を発表し、農作物や水の管理などに注意を呼び掛けるとしている。
少雨傾向でキビへの影響が深刻な状態となっている。ほ場整備がされていない城辺の新城や保良、吉野、七又、仲原、西東などのほか、平良地区の一部地域では梢頭部が枯れたりするなど被害が日々拡大している。
キビ農家はかん水作業に追われており、「このまま雨が降らなければ大変な事になる」と危機感を募らせている。
宮古土地改良区によると、地下ダムの貯水量は4日現在で福里78%、砂川72%。同改良区は「冬場は夏場のように貯水量が急減に下がることはない」と話し、貯水量に関しては心配するほどの事態ではないとみている。