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社会・全般
2019年7月18日(木)8:54

【行雲流水】(観光土産品)

 本土在住の知人を沖縄本島の織物工房へ案内したことがある。全国各地に伝わる〝かすり模様の出し方〟の違いに興味があったようだ。熱心に見学した後、「記念に小間物を買いたい」と満足気だった

▼さいわい、工房には展示即売室が併設されていた。お目当ては「名刺入れ」のようだ。あれこれ手に取り、在庫品まで出させて見ていたが、一向に「これください」と言わない。とうとう、何も買わずに工房を後にした

▼不審に思って尋ねてみると、意外な答えが返ってきた。「ミシンの縫い目に問題がある」と言う。「上司や先輩への土産に」と思ったが、先方に失礼になりそうだからよしたとのこと

▼角の縫い目が直角に交差するカギ型(∟)ではなく、糸が角を斜めに横切る縫い方(\)をしていて、ザツだ。贈る側の心も「雑」だと思われかねない。贈る側の立場になってもらいたいものだ、と言う

▼美的センスと経済合理性(長持ち)へのこだわりであろう。帰りの車中では、本土(東京)と沖縄の文化の違いが話題になり、比較文化論(?)に花が咲いた。結局、「文化自体に優劣はない」との点では意見は一致していた

▼しかし、産業としての土産品を考えると、「文化の違いだ」と割り切るわけにはいかない。顧客に「違い」を認められ、しかも商売上差し支えがなければ、自分流儀でもかまわない。だが、売上や雇用の拡大など産業としての発展を望むのであれば、消費者ニーズに応える工夫をすることは産業人の努めではないだろうか。智恵と努力が必要だ、と痛感した。(柳)


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