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【特集】2022年新年号【特集】新年号
2022年1月1日(土)9:00

復帰50年 新年を迎えて

  2022(令和4)年を迎え、謹んで新年のごあいさつを申し上げます。新型コロナウイルス感染症が世界で流行してから3年目に入ります。デルタ株の流行が収まりかけたと思いきや、今度はオミクロン株の感染力に世界が戦々恐々としています。日本でも2月ごろが流行のピークになるとの予測もあり、社会経済などへの影響はまだ続きそうで、引き続き感染症対策に力を入れ、今年一年を乗り切りたいものです。


沖縄県が1972年5月15日に本土復帰して今年で50年になります。この50年で宮古島の生産基盤や社会資本整備は強力に進められ、港湾、空港、道路、教育施設の整備が進みました。復帰後の宮古島は公共工事が増加し、建設業とサービス業に依存する産業形態で発展してきました。

離島苦解消の切り札として期待された架橋建設も池間大橋(1992年2月開通)、来間大橋(1995年3月開通)、伊良部大橋(2015年1月開通)の三大架橋が供用開始され、島民の生活スタイルも大きく変貌しました。宮古島は平良港を拠点に西里、市場、下里通りの商業地を中心に栄えていましたが、車社会への移行により市郊外に大規模駐車場を完備した大型スーパーが誕生、人の流れが変わりました。今年は宮古空港東側に大型商業施設がオープンします。

復帰後に躍進したのは観光産業です。2019年度には入域観光客数は100万人(観光収入額は636億円余)を突破。風光明媚(めいび)な海岸線には新しいタイプのホテルが次々と建設され、みやこ下地島空港ターミナルの開業で航空会社が本土や那覇との路線を開設、大勢の観光客が来島しています。現在、トゥリバー地区には大規模なホテルが建設中で民間の観光施設建設は活発です。空の玄関口が二つある宮古圏域の特性が生かされ、観光産業は今後とも宮古圏域発展の柱となりそうです。

島の基幹産業である農業は、土地改良事業で畑地を整備し、国営地下ダム事業が推進され、かんがい施設を導入、水なし農業からの脱却が進みました。サトウキビ生産量は昨年は35万3514㌧でキビ代金は80億6800万円となりました。今期の生産量は37万4000㌧を見込み、前年比で約2万㌧の増と2年連続の豊作が見込まれています。肉用牛販売額は昨年は38億7300万円、前年比で約3億円の増収となりました。肉用牛の需要は全国的に高く今後も価格の上昇は期待されますが、畜産農家の高齢化が進み、上場頭数が減少傾向というのが懸念材料です。昨年は21億5400万円の販売額となった葉タバコは今年は減反に転じて栽培農家数は減少となりました。マンゴーやゴーヤー、トウガンなどの施設園芸は有望で若者が栽培に挑戦する姿が見られます。復帰後、農業環境は大きく整備されましたが、後継者の育成が農業振興には不可欠です。

復帰後、行政の大きな変化は2005年の市町村合併です。多良間村を除く5市町村が合併、宮古島市が誕生し、昨年は新庁舎が完成、業務が分庁方式から本庁に一元化されました。旧町村に設置されていた支所機能は縮小しており、旧町村の活性化は課題となっております。昨年1月には宮古島市長選が執行され、新市長に前県議の座喜味一幸氏が選出されました。10月の市議会議員選挙では新人9人を含む新議員が選出され、新しい発想での議会活動を市民が注目しております。復帰50年後の宮古島のさらなる発展のため官民を挙げて新しいプロジェクトの創造が求められています。

宮古毎日新聞は今年で創刊67周年を迎えます。本紙は復帰後50年の島の変貌を報道してきました。今後とも地域紙の役割を認識し正確、公正、迅速を旨として新聞発行にあたる所存です。今年も宮古毎日新聞のご愛読をよろしくお願い申し上げます。

2022年 元旦
宮古毎日新聞社
代表取締役社長 伊志嶺 幹夫

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