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花は島色
2018年6月10日(日)8:53

【花は島いろ】小底明子さん(50歳)「カフェ・スムージー」経営 

まだまだ夢の途中


小底明子さん

小底明子さん

 【那覇支社】宮古島市下地与那覇にある実家の民宿「津嘉山荘」で「カフェ・スムージー」を開店し、5年前、結婚を機に店舗ごと与那原町に移って来たのは、小底明子さん(50)。「まだまだ夢の途中」と目を輝かせる。


 父親の仕事で、5歳の時に宮古から那覇へ引っ越すことになった小底さん。そのころから、可愛い小物に囲まれた「カフェ」を作りたいと思い始めたといい、興南高校時代はバイトに明け暮れた。

 卒業後は、少女雑誌「オリーブ」で見た都会の空気や洋服に憧れ、神奈川のスーパーに就職した。生活費や店舗の資金作りの為に「アララガマ精神」で昼夜関係なく働き、気が付けば30歳に。それでも、「私は、まだ親に認められていないのではないか」と感じていたという。

 そんな時、お世話になっている人が「頑張っているのは十分、分かっているはず」と声を掛けてくれたといい、その言葉に背中を押されて「時間は待ってくれない。(お店を)始めるなら、今だ!」と、夢へ歩み始めることになる。

 早速、場所探しを開始。沖縄本島も見て回ったが、これという場所が見つからず、そんな時に宮古にある実家の窓から揺れるサトウキビが目に留まる。

 晴れたらザワワと歌い、雨が降れば、水の滴る音がショパンの優しいピアノの響きになる。「ここの窓から揺れるサトウキビを、みんなに見せたい!」と感じ、実家が営む民宿の敷地内に店舗を建てることに。

 材料は自分で購入し、建築関係の仕事をしていた父の手も借りて、2000年4月1日に「カフェ・スムージー」を晴れてオープンさせた。

 「地元の人に愛されながら、観光客にも来てもらいたい」と思い、カフェでお茶を飲む習慣がない宮古でも人気が出るように、「七色のホットコーヒー」など商品にも工夫を凝らした。その結果、宮古で広く知られるようになっていったという。

 13年間営業する間に外国人のお客様も増え、中には、結婚して親子2代で来てくれるリピーターもいた。「出会いに感謝。お客様一人一人が主人公。私は映画のスクリーンの中にいるような気持ちですよ」と話す。

 宮古から与那原に移り6年目。カフェだけでなく、リンパマッサージ、修学旅行生などを受け入れる民泊も手掛けている。「父には建築現場で掃除を教わり、母には料理と小物作りを教わった。自然がいっぱいの宮古島に育てられたからこそ、アイデアが生まれるんです」と、感謝の言葉を述べる。

 これで目標達成かと思いきや、「2020年に東京オリンピックがあるので、那覇にもお店を持とうと思って」と語る小底さん。チャレンジは、まだまだ終わらない。
下地与那覇出身 (与那原町在住)

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