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【特集】新年号
2021年1月1日(金)8:49

城辺

城辺は和牛の伝統産地
過去に5人が農水大臣賞受賞/飼養頭数市全体の4割


牛に給餌をする砂川博一さん

牛に給餌をする砂川博一さん

 「牛年とかけて何と解く」「城辺地区と解く」「その心は和牛の伝統産地」。城辺の農家は昔から体格や肉質の良い和牛生産の熱意が高く、城辺産の選りすぐりの牛は過去の県畜産共進会で5頭が最高の農林水産大臣賞を受賞した。受賞者は新城武男さん、狩俣恵光さん、友利清良さん、長浜弘一さん、荷川取衛さん。旧城辺町は1991年には団体優勝を果たし、宮古の牛の素晴らしさをアピールした。

 2019年末の飼養頭数は4225頭で宮古島市1万431頭の4割、飼養戸数323戸(同685戸の約5割)と依然、主要産地の地位をキープした。ただ、頭数や戸数は高齢化に伴い減り続けており、今後の課題になった。

 牛は戦前のころ役肉両用の家畜として飼われていた。シートーヤー(製糖場)ではサトウキビの汁を絞るパーグルマ(三連鉄車)の動力源などに使われた。戦前の1941年に宮古全体で4100頭いた牛は、戦時中には日本軍に徴収され戦後の1947年には280頭にまで激減した。

 時代の流れとともに牛の役割は馬に変わった。上区に住む砂川松吉さん(初代宮古和牛改良組合長・94)によると、牛より早く歩く馬がよく働くというのが、牛から馬に役割が交代した理由だった。「農耕に使った牛の肉は硬く、ンマッファナャーン(おいしくない)」と不評だった。それでも大動物の牛は肉の生産に適し、牛ふん堆肥も作ったので重宝された。

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