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まちからむらから
2012年1月28日(土)22:30

活気あふれる池間島に/平良地区

世代を超えた交流会に意見沸騰/沖縄大学・高大連携教育改革「宮古シマおこし」


8団体が池間島の未来を考えた「シマおこし」フォーラム(1月21日=池間島八重干瀬センター)

8団体が池間島の未来を考えた「シマおこし」フォーラム(1月21日=池間島八重干瀬センター)

 池間島で21日、中高大学生から老人クラブまで八つの団体が交流し、島の福祉や自然環境、文化継承のことなど今後のあるべき姿を描いた。この地域交流プログラムは沖縄大学地域研究所の主催で「南西諸島清ら島づくり高大連携プログラム」(文部科学省)の中で実施されるもので、沖縄大学の西尾敦史准教授(人文学部福祉文化学科)が8人の学生を引率して昨年から宮古に入っている。


 この日、参加した団体は島の老人クラブ、漁業婦人会、民生委員、体育協会、小規模多機能施設(きゅーぬふから舎)、中高校生、社会福祉協議会、沖縄大学の学生ら。今回は食を通して島の人たちと交流しようと学生たちが食事を準備し昼食を共にした。食後はこれからの池間島を考えるフリートーキングが行われ、①島の良いところ②気になるところ③今後こうしたらーなど参加者約人の意見が交わされた。

 五つのグループに分かれ、各項目に沿って10点ずつの考えを述べ、座長がまとめるというもので、果敢な意見がボードに書き出された。好きな点は、「手つかずの美しい自然がいっぱいある」「島の人みんなが家族のようだ」「祭りを大切にする」「車が要らない」「海の幸が豊富」など50点が張り出された。

 島の気になる点では「一人暮らしの高齢者が多い」「ごみのポイ捨てが多い」「子どもや若者が少なくなって人口が減っていく」「方言が失われつつある」「外灯が少ない」「子どもたちの遊び場が少ない」「買い物が不便」など心配な点が数多く出された。

 こうした良い点、良くない点を書き出した後、今後どんな島にしたいかみんなで考えた。「荒れた畑の整備」「空き家の有効活用」「市営住宅の誘致」「漁業者の育成」「方言を通し若者と高齢者の交流」「環境整備」「購買店を造る」などが出された。農漁業の充実と共に、雇用の場を増やし、子どもや高齢者が安心して住める島、文化の継承など、現在、島の抱える問題や将来の希望などが浮き彫りになってきた。

 自治会長の奥原正美さんは「めったにない機会。みんなで考えることによって島の将来が描ける」、民生委員の波平三郎さんは「世代を超えた交流会をきっかけにこれからの島おこしにつなげたい」と話した。また老人会長の糸満和夫さんは「一人暮らしの老人を元気づけていきたい」と抱負を述べた。体育協会の与那嶺誓雄さんは「島を思う気持ちはみんな一緒。ところがこうしてみんなで考えるという機会がなかった。今後、島の課題を共有するということが大事」と話し、将来の健全な島づくりに期待を込めた。

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