新年を迎えて
2024年(令和6年)の年頭に当たり、謹んで新春のごあいさつを申し上げます。
昨年を振り返ってみますと世界的には一昨年から続くウクライナとロシアの戦争に加え、ガザ地区を巡るイスラエルとハマスとの戦闘勃発、幾度にもわたる北朝鮮のミサイル発射、ハワイのマウイ島での大規模火災などと暗い出来事が多かったように思える中、将来に向けどんどん進化を遂げるAI(人工知能)の開発において世界29カ国が出席し、第1回の生成AIセーフティサミットがイギリスで行われ、人類にとって安全な開発と運用のための共同宣言がなされました。これは軍事目的や悪用するのを防ぐための将来への明るい展望の第一歩でありました。
一方、日本に目をやりますと春先にWBC(ワールド・ベースボール・クラッシック)で栗山監督率いる侍JAPANが大谷翔平などの活躍で世界一に輝き、明るい話題でスタートしましたがその後、ジャニーズ性加害問題が世間を騒がせ、そんな中、円安、ガソリンの高騰などによる物価の上昇、社会保険料の値上げ、そして10月に導入されたインボイス制度により経済の混乱を来し、また年末には自民党の政治資金問題といかんともし難い状況に至っております。岸田首相は今年どのように国のかじ取りをするのでしょうか。
また、ここ宮古において昨年は地球温暖化の影響で台風の襲来は減ったものの6月に襲来した台風2号は宮古地区の葉タバコの6割を超える甚大な被害をもたらしました。また、8月の台風6号に至っては暴風警報が約53時間に及ぶ迷走状態で島の物資の流通に大きな影響を与えました。しかし、新型コロナウイルス感染症が5類へ移行したことにより規制緩和が行われ、4年ほど中止となっていた「宮古まつり」等の行事や祭祀(さいし)が再開されたことは宮古の方々にとっては輝く希望の見える年になったのではないかと思います。これに伴い航空路線もコロナ以前の状況に戻りつつあり、またクルーズ船の寄港も増加が見込まれています。今年は観光客増加に対して島内の2次交通(拠点となる空港や港などから観光目的地まで行く交通手段)の脆弱(ぜいじゃく)さやオーバーツーリズムへの対応を考慮しながら、誘客活動を行わなければいけないでしょう。そんな中、深刻なのが人手不足です。島内の時給は1000円以上が当たり前となっている現在も各企業は労働者確保に苦心しております。また、ガソリン、物価の上昇で島内の産業は資材、肥料、飼料の高騰により建築業、運送業、農林水産業のそれぞれに打撃を与えているのも確実なところであります。
そんな中、今年6月には県議会議員選挙、来年の1月に宮古島市長選挙と宮古はこの1年選挙一色となっていきます。「ワンチームみゃーく」勢力と野党保守勢力がどのような選挙展開するかで宮古の今後4年間の方針は決定していきます。さあ、宮古のことを一生懸命考え、それを実行する人に1票を投じましょう。
来年は宮古島市市政20周年です。そして宮古毎日新聞社も創刊70周年を迎えることとなります。激しく変化する世界、試行錯誤の国政の中でわが郷土はどのように変わっていくのでしょうか。宮古毎日新聞は宮古圏域の政治、行政、経済、教育、文化等その他の出来事を報道し主催事業等を通して郷土の皆さまとともにこれからも歩み続けられることを願っています。皆さまのご清栄をお祈りします。
2024年元旦
宮古毎日新聞社
代表取締役社長 山内 忠