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【特集】2024年新年号
2024年1月1日(月)0:13

島の歌を”御舟”で島内外へお届け / 宮古民謡を独自のアレンジで演奏

4人組の音楽ユニット「MIUNI(ミウニ)」の與那覇美和さん(中央手前)、川満七重さん(後列右)、池村綾野さん(同左)、池村真理野さん


宮古島に伝わる民謡や古謡などのアーグ(歌)を独自のアレンジで演奏している、唄・三線2人とサックス、キーボード各1人の計4人組音楽ユニット「MIUNI(ミウニ)」。ミウニとは宮古方言で船(御舟)を意味する言葉で、船に歌を載せてあちこちへ届けるイメージで名付けられた。昨年は初となるアルバムを発売。それを携え、宮古島だけでなく東京や神奈川、名古屋、大阪、兵庫などでもライブを開催。ミウニ独自の「宮古島のアーグ」を島内外へ広く発信するなど、宮古の文化の普及、発展に貢献している。

メンバーは唄・三線の與那覇美和さんと川満七重さん、キーボードの池村綾野さん、サックスの池村真理野さん。

4人での活動を始めたのは2017年。それぞれに音楽活動を行っていて、その中で次第に4人がつながるようになり、「ちょっと4人でやってみようか」という話になって活動を開始。「唄・三線、ラッパ、鍵盤SHOW」と題したライブイベントを市内で3、4か月に1度ほど行うようになった。

その後、島外のイベントにも出演するようになるなか、関係者から「唄・三線、ラッパ、鍵盤SHOWというユニット名なの?」などと言われるようになり、何かユニット名を考えなければという話をしていたところ、川満七重さんがある文献の中で「御船(ミウニ)」という言葉に出会い、ほかのメンバーにユニット名として提案。全員が気に入って、2020年から「ミウニ」として活動するようになった。

同年4、5月には、シンガーソングライターの浜田真理子さんとの共演コンサートを那覇、石垣、宮古の3会場で、同11月には浜田さんの出身地で活動拠点でもある島根でも開催するなど、活動の幅を広げていった。

そして23年6月に初のアルバムCD「Miuni」を発売。宮古島在住のパーカッション奏者の江川ゲンタさんから「今の4人の音楽を録音しておいた方がいい」と強く勧められ、江川さんプロデュースで製作。レコーディングには江川さんも打楽器で参加し、宮古島市内で録音を行った。

同7月に市内でCD発売記念ライブを開催したところ、100人を超える観客が詰め掛ける大盛況ぶりで、地元でのミウニの人気の高さがうかがえる機会となった。

CD発売記念ライブは市内だけでなく、東京や神奈川でも行い、好評を博した。

さらに同年10月には東京の恵比寿 ザ・ガーデンホール&ザ・ガーデンルームで開催された、音楽評論家のピーター・バラカン氏が監修する音楽フェスティバル「ライブ・マジック!」に出演。大勢の観客の前で「ミウニ・アレンジ」の宮古民謡を披露すると、会場からは手拍子が起こり、演奏後には大きな歓声が鳴り響いた。

そして同年12月にはウインター・ツアーとして名古屋、大阪、兵庫の3会場でもライブを行うなど、活動の幅をさらに広げていっている。

唄・三線と太鼓などで演奏されることが多い宮古民謡。サックスとキーボードという洋楽器が加わることで、ミウニ独自のサウンドが生まれている。メンバーは「唄・三線が軸なのだが、サックスとキーボードが軸になることもあったりと、いろいろなパターンがある。必ず三線が入っていないといけないということもなくて、唄だけの曲もある」という。

将来的な目標の一つは「ミウニの宮古民謡を作りたい」。宮古民謡の楽譜に当たる「工工四(くんくんしー)」について、それが演奏の基本ではあるが、必ずしもその通りである必要はないとの認識を示す。「宮古の民謡は大切にしているし、リスペクトしている。それはないといけない。ただ民謡は型にはまらないものでもある。ミウニの音楽をきっかけに、バンド演奏などをしている高校生などにも私たちみたいなことにチャレンジしてほしいと思う」と言う。

今年は、1月に東京にある「ハレザ池袋」の誕生5年イベントとして開催される多国籍な音楽イベント「ライブミュージック・イン・ハレザ2024スペシャル」への出演が決定している「ミウニ」。今年のさらなる活躍が期待される。

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