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【特集】2024年新年号
2024年1月1日(月)0:06

大迫力!ヤギの決闘/ピンダアース大会 3階級の王者紹介

毎年2回行われる多良間島ピンダアース大会が、熱く勇ましい戦いで年々盛り上がりを見せている。角と角を激しくぶつけ合わせる姿は大迫力で、大会は多良間の一大イベントに成長している。近年は島外からの参戦が増えており、決勝進出を果たすなど実力は十分。迎え撃つ地元勢は優勝旗の島外流出を防ごうと必死だ。24回大会で優勝した3頭と飼養者を紹介する。

優勝旗流出を阻止
晴太郎君(小1)が飼養/ガラガラドン号

ガラガラドンを育てる山中さん一家

重量級(70キロ以上)を制したのは山中晴太郎君(多良間小1年)が育てる「ガラガラドン」号。決勝戦では伊良部島から参戦した「ジャックダニエル・イー」号を果敢に攻めて優勢勝ち。優勝旗が海を渡ることを、まさに水際で阻止した。

ガラガラドンは、山中家が多良間島に引っ越して初めて産まれたヤギ。大きく強くなってほしいと期待を込めて、晴太郎君が絵本から名付けた。

小さい頃から食いしん坊で毎日草を集めるのが大変だったという。生まれて半年までは、自宅で子どもたちと兄弟のように育てていたが、体が大きくなったため、ガラガラドンは牛舎に引っ越した。

大好きな桑の葉やギンネムを持っていくと今でもすぐに反応し、甘えた声で寄ってくる可愛らしい一面も。

父の裕介さんは「中量級、重量級と2階級チャンピオンになったので引退も考えたが、勝ち逃げは許してもらえないので、2024年も大会に出場する」と宣言。「宮古島の大会へも乗り込んで多良間ピンダの実力を見せたい」と語った。

2階級制覇目指す
中量級で悲願の初V/ピンクリッティー号

優勝旗を手にする野原さんとピンクリッティー号

第24回多良間島ピンダアース大会の中量級(55〜69キロ)で悲願の初優勝を果たしたのは、野原康弘さんが飼養する「ピンクリッティー」号。3大会連続2位となかなかチャンピオンになれなかったが、最後の挑戦で意地を見せた。

中量級はピンダアース大会の醍醐味。必殺技の「マイダツ脳天割り」を連発して会場内を沸かせる試合が多いという。

決勝では「ピカチュウ2代目」号と対戦し、互角の試合を展開したが、優勢勝ちでピンクリッティー号が初優勝をつかんだ。

野原さんは「驚きの初優勝。3大会連続2位だったので、今回で駄目ならヤギ汁になる運命でしたが優勝できて最高だ」と話した。ピンクリッティー号は九死一生を得た形だ。

ピンクリッティー号は、人慣れしていないため、臆病な性格。しかし、ヤギに対しては違うようで、果敢にもマイダツ脳天割を連発して見せた。

野原さんは「好き嫌いも激しいので困ったピンダ(ヤギ)だが、次の大会までに好物の桑の葉とバナナをたくさん食べさせて、次回は重量級で優勝する」と2階級制覇を宣言した。

負けるまでは挑戦
軽量級で3連覇/オカダ号

軽量級3連覇の「オカダ」号を育てる末子さん(右)と逸雄さん

軽量級(40〜55キロ未満)で3連覇を達成したのは渡口末子・逸雄さんが飼育する「オカダ」号。得意の掛け技を仕掛ける攻撃を繰り広げ、相手の戦意喪失を招くなど、作戦が光った。

普段は大人しい性格だが、大会になると戦闘モードのスイッチが入り、多彩な技を繰り広げる。

得意の掛け技は、歳を重ねるごとに戦略が変わってきており、最近は腹取りを仕掛けていくことが増え、ベテランの味を出している。

強さの秘訣(ひけつ)はコンディションの調整。大会前2〜3週間は1匹だけ離して育てることで大会に向けて準備を整えている。

末子さんは「理想は中量級へと階級を上げることだが、純粋な島ヤギなので体はあまり大きくならないと思う。次の大会でも優勝を狙いたい」と4連覇を誓った。

また、「多良間ピンダの種の保存のため、小さいながらも強い、かわいいピンダをこれからも育てていく」と小柄で最強キャラを目指す計画だ。

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