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行雲流水
2018年10月4日(木)8:54

【行雲流水】(知事選と県民投票)

 知事選が終わった。辺野古が最大の争点だったはずだが、今度は辺野古の是非を問う「県民投票」だという。あらためて5億円余を使って実施するのは税金の無駄遣いではないだろうか

▼わが国の政治制度は、住民代表を選んで政治と行政を負託する間接民主主義だ。事案ごとに住民が参加する直接民主主義とは違う。「県民投票」に法的拘束力がないとされているゆえんであろう

▼今の政治制度に欠点がないわけではない。1950年代のイギリスの政治学者パーキンソンは、世の中の実態を揶揄(やゆ)した著作「パーキンソンの法則」を発表した

▼それによると「予算の審議時間は、予算の額に反比例する」という。会議費のコーヒー単価を200円にするか300円にするかはもめるが、億単位の予算はすんなり通る。議員の知識がついていけないからだという

▼「世論は、意見を持たない人が決める」というのもある。明確な意見を持っている人は、賛成派3割、反対派3割がせいぜいだ。残り4割の意見を持たない人がどちらに転ぶかによって賛否が決まるという。鋭い観察ではある

▼だが、今の政治制度はベストではないにしても、ベターだとはいえる。選挙の結果は素直に受け入れるのが順当だ。直接民主主義は予算とエネルギーの浪費だし、つきつめていけば知事も県議も要らないことになってしまう。ついでに言えば、辺野古埋め立てに関する司法判断についても、受け入れざるを得ない。法治主義のもとでの「社会の成熟度」が試されている。苦渋の選択は続く。(柳)

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