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私見公論
2018年11月23日(金)8:54

【私見公論】島尻郁子/社会教育委員として

 11月20日、南風原町において第60回沖縄県社会教育研究大会が開催される。
 県内の社会教育行政関係者、社会教育団体関係者、学校教育関係者などが一堂に会し、社会教育の実践事例報告や研究協議を通して、時代の変化に対応した社会教育活動の充実と振興に寄与することを趣旨とし、「活かそう!みんなの学び つなごう!地域の輪」をテーマに「家庭教育支援」「青少年の健全育成」「地域づくりにおける社会教育委員の役割」の3分科会での研究討議が予定されている。

 その三つ目の分科会で事例報告の機会を頂き、市と県の社会教育委員として関ってきた思いを巡らせながら原稿に取り組んでいる。

 9月上旬、宮古島社会教育委員連絡協議会が多良間村で開かれ、改めて社会教育委員の役割について考えさせられたので、今回は社会教育委員について書いてみようと思う。

 社会教育委員は、社会教育への理解を深め、地域の課題や住民のニーズを把握し、それを社会教育事業に反映させる役割を担っている。  

 では、社会教育とは何か?教育基本法第七条(改正前)に、(家庭教育及び勤労の場所その他社会において行われる教育は、国及び地方公共団体によって奨励されなければならない)(国及び地方公共団体は、図書館、博物館、公民館等の施設の設置、学校の施設の利用その他適当な方法によって教育の目的の実現に努めなければならない)とあり、社会教育の本質としては、国民の自己教育・相互教育にある。社会教育行政の任務はその自主性を尊重して学習活動を奨励、援助し、必要な条件整備を行う。と謳われ、社会教育を行うことを目的として造られた施設は公民館・図書館・博物館であり、社会教育関連施設に宮古青少年の家がある。

 宮古青少年の家の所長が長年社会教育に尽力してこられたその後ろ姿を見て私もその働きに導かれ今があり、また、青少年の家が県からの民間委託になることを見据えた所長の提案により、NPO法人「ばんず」を立ちあげ、法人の実績を重ね、現在、青少年の家の企画運営を任されている。

 青少年の健全育成のために労苦を惜しまず、『知っているよりしていることが大事』と言い、常に心を尽くし自らよく汗を流す所長のお姿は社会教育に携わる私のお手本である。

 社会教育委員としてさまざまな会議に参加したり、研修会に関わらせていただいたり、課題に向き合う私をさらに後押ししてくれるのは、次のマザー・テレサの愛の言葉と平和の祈りである。

 『愛は家庭から始まります。まず家庭の中で不幸な人を救いなさい。両者が愛し合い、母親が家庭の中心となりなさい。平和とうるおいの家庭が築けたら、隣人を愛しなさい。自分が、自分の家庭が、愛に満たされなければ隣人を愛せません』

 『主よ、
 私をあなたの平和の道具としてお使いください。
 憎しみのあるところに愛を
 いさかいのあるところに許しを
 分裂のあるところに一致を
 疑惑のあるところに信仰を
 誤っているところに真理を
 絶望のあるところに希望を
 闇に光を、悲しみのある所に喜びをもたらすものとしてください。
 慰められるよりは慰めを
 理解されるよりは理解することを
 愛されるより愛することを私が求めますように』とマザーは平和を祈る。

 平和と潤いのある家庭教育が展開されていくことを祈り、社会において行われる社会教育の中に隣人を愛する能力、暗闇を光に変える力を祈り求め、さまざまな関係機関・また関係するお一人お一人のネットワーク力に信頼を寄せ「地域づくりにおける社会教育委員の役割」についての発表原稿を横目に、今回はこれで。
(NPO法人あらた理事長・社会福祉士)

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