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行雲流水
2019年7月13日(土)8:54

【行雲流水】(高齢者)

 高齢者とは何歳から?と問われると、65歳とか70歳とかの答えが普通ではないのか。ひところ話題になった「前期高齢者」や「後期高齢者」というのは高齢者の医療の確保に関する法律に定められた年齢区分であり、人口統計でも65歳から74歳を前期高齢者、75歳以上を後期高齢者というように区分けしている

▼他方、高年齢者雇用安定法では55歳以上を高年齢者と規定している。それぞれの法理に基づいての年齢規定だとは思うが、医療現場では実年齢とは異なる意味で高齢者という概念が成り立っているようだ

▼県立宮古病院長の本永英治氏の著書「新・臨床高齢者医学3 よくわかる徒手筋力検査と臨床運動学」では区分けされた年齢ではなく包括的な表現で解説がなされている。「高齢者の筋力低下の背景にはフレイルと呼ばれる概念とサルコペニアと呼ばれる概念があり、さらにはカヘキシアと呼ばれる重度の身体機能が低下した状況もある」といった具合だ

▼そこには市町村の実施する老人医療の対象となる70歳以上とかにこだわりなく、長年従事してきた労働で身体機能の低下が顕在化する年齢に至ったことを高齢者と暗示している

▼介護の分野では40歳以上を市町村の運営する一般介護予防事業の対象としているがそれは高齢者としての扱いではない。高齢者という一定の線引きは一般的には65歳が妥当かと思える

▼2020年の宮古島市の歳以上の老年人口は1万4260人で人口割合の28・6%と超高齢社会となると予測されている。その分加齢に伴う身体機能の低下した老人も増えるだろう。必然的に介護の需要が高まることが予想される。(凡)

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