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行雲流水
2019年10月1日(火)8:54

【行雲流水】(ホモ・サピエンス)

 科学雑誌『Newton』(ニュートン)はホモ・サピエンスについて特集を組み、人類、文明、科学がどのように誕生し、発展してきたかを検証している。それを概観したい

▼私たちホモ・サピエンス(新人)は、猿人、原人、旧人を経て、約20万年前アフリカで誕生、世界中に拡散した。その特徴は、直立二足歩行をし、大きな脳を持ち、手足を器用に操ることである

▼そこに文明が芽生えて農耕が始まる。農耕が始まると人口が増え、古代都市が誕生、都市の膨大な記録を残すため「文字」が生まれた。文字によって、知識の蓄積と体系化、共有が可能になり、科学の躍進につながる

▼17世紀にはガリレオなどによって、実験と数学による検証という現代科学の基礎が築かれる。18世紀には蒸気機関の発明によって産業革命が起こる。19世紀には電気社会の幕が開き、20世紀には量子力学の発展と集積回路の発明が情報社会を生んだ。21世紀には、DNAの遺伝情報を書き換える「ゲノム編集」が可能になり、人工知能(AI)が開発された

▼ところが、人の受精卵にゲノム編集が行われて倫理上の問題になり、AI兵器の開発競争が進んでいる。これから賢い人を意味するホモ・サピエンスは、どこへ向かうのだろうか

▼画家ゴーギャンは最高傑作『私たちはどこから来たのか、私たちは何者か、私たちはどこへ行くのか』を描き、その中央で人はエデンの園で「知恵の実」を取っている。ちなみに、思い上がった人間はエデンの園から追放された(聖書)。(空)

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