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美ぎスマ
2019年9月29日(日)8:54

【美ぎスマ】「長間一番」誇りに発展/城辺地区長間集落

新公民館を建設/お年寄りGBで健康増進


ゲートボールを楽しんでいる老人クラブの皆さんと自治会役員

ゲートボールを楽しんでいる老人クラブの皆さんと自治会役員

 「長間一番」は、長間の心意気を象徴する言葉。50年ほど前の西城学区運動会で長間は優勝の常連だった。優勝祝いの席で、「イーバリヤーの故・下地恵色さん(裕三さんの祖父)」が「長間一番」と喜び勇んだのが由来という。以来、住民はこの言葉を誇りに努力を重ね、力を合わせて集落を発展させてきた。2016年(平成28)年には新しい公民館を建設した。畑の面整備もほぼ終わった。8月末現在の人口は205人(男性111人、女性94人)、世帯数は116戸。 

 長間老人クラブ融和会の高江洲敏雄会長(76)によると、当時の運動会は会場いっぱいに住民が集まり盛大だった。長間では早朝に選手や住民らが御嶽を3カ所巡って「優勝」を祈願し、優勝旗を先頭に会場まで「長間中区青年団の歌」や「千歳秋」などを歌いながら行進した。千歳秋は「我等の鍛えし選手らは 百に、二百に千五百(中略)雄大無双の我が選手 中区の光を輝かせ」などと意気高らか。高江洲会長は「当時の団結力は強かった」と振り返った。

 「長間一番」は運動会での「一番」を喜んだのが始まりとされるが、「ガーユスミツカー『一番』(議論をさせたら一番)」という長間の気風が語源との見方もある。

 新公民館の建設には約4000万円の費用がかかった。半分の約2000万円は島外に住む郷友の寄付金と住民の積み立て金を合わせたもの。真新しい公民館からは郷友や住民のンマリズマ(生まれた集落)への郷土愛が輝いて出ている。2000万円は市が補助した。

 敷地面積は939平方㍍。床面積161平方㍍。建物は広いホールや舞台などを備える。庭にはゲートボール場があり、高齢者の健康増進に役立っている。

 15日は老人クラブの皆さんが集まり、ゲートボールを楽しんだ。渡久山キヨさん(92)は「60代のころには何度も宮古一番になり県大会に行った」と笑顔だった。当時長間では4チームを編成していたが現在は、1チームに減った。9日の宮古地区大会では準優勝した。

 長間自治会長の下地孝志さん(65)は長間の一番の課題として、高齢化や過疎化が進んでいることを指摘。「今後は新公民館を集落活動の拠点に活性化や住み良い地域づくりに努めたい」と抱負を語った。

 長間は純農村地域で主に、サトウキビが栽培されている。干ばつの影響をさほど受けない肥沃な土地には、キビがすくすくと育ち地域の経済を支える。68歳の女性は「10㌃から23万円の収入があったので、びっくりした」と話していた。

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