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行雲流水
2019年10月10日(木)8:54

【行雲流水】(消費税)

 消費税騒動たけなわだ。軽減税率やポイント還元の仕組みは、分かりにくい。他方、子育て世代と低所得者を支援するためのプレミアム付商品券は、分かりやすい。2016年4月2日~2019年9月30日に生まれた子どもがいる世帯、2019年度住民税非課税者が対象だ

▼てんやわんやの10日間だったが、よくよく考えてみると、消費税の納税義務者は事業者である。税務署に消費税の確定申告をするのは事業者だ。営業成績が黒字であろうが赤字であろうが、消費税額は徴収される

▼消費税を消費者から取り損ねた事業者はどうなるか。黒字幅を減らすか、赤字に転落するか、赤字幅を大きくするかのいずれかだ。確定申告時に深刻な問題が待ち構えているはずだ

▼事業者間の競争が厳しくて消費税分を上乗せできない事業者。消費者から預かった消費税を日々の資金繰りで費消してしまった事業者。これらの事業者は、消費税確定申告時に泣くことになる。納税期限までに資金繰りの目途が立たなければ、倒産という事態に遭うこともあり得る

▼実際には、銀行の融資方針(資金使途が消費税納付なら優先貸付)、税務署の激変緩和策(分割払い)などが準備されているとは思う。が、それでも、事業者は確定申告時をにらんで、納付すべき消費税額を試算し、長期資金繰り表を想定しておくことが肝要であろう

▼サービス業などを営む個人事業者のことが気がかりだ。確定申告時の消費税対応が、生業(なりわい)を続けられるかどうかの正念場になるのでは。予習しておきたいものだ。

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