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【特集】新年号
2020年1月1日(水)8:57

夫婦二人三脚で栄誉.

上地良淳さん・佳代子さん「緑白綬有功章」


仲むつまじく畜産業を営む上地良淳さん(右)と妻の佳代子さん=上野の牛舎

仲むつまじく畜産業を営む上地良淳さん(右)と妻の佳代子さん=上野の牛舎

 上野で畜産業を営む上地良淳さん(63)と妻の佳代子さん(61)が、大日本農会の2019年度農事功績者表彰「緑白綬有功章」を夫婦連名で受章した。就農から約40年間、寝る間も惜しんで働いてきた2人だけに喜びもひとしお。「夫婦連名での受章が何よりもうれしい」と口をそろえる。

 今でこそ90頭の牛を飼養する大規模農家だが、就農時はサトウキビとの複合経営だった。繁殖牛はわずか5頭。とても食べていける経営基盤ではなかった。

 それならばと、比較的短い期間で高収益が期待できる施設園芸に挑んだ。ピーマンにゴーヤー、トウガンやスイカも栽培した。

 このころは、朝5時から園芸施設で働き始めた。終えると牛舎に行って餌をあげ、午後になると再び園芸施設に戻った。日常の栽培管理のほか収穫や生産物の箱詰めなどもろもろの作業に午後10時まで当たる。それからまた牛舎に行って牛の世話をした。帰宅できるのは深夜0時すぎ。この時間からご飯を食べて床に就く毎日だったという。

 こんな生活を休みなく何年も続けたが、仕事に嫌気が差したことは一度もない。良淳さんは平然と言う。「あのころは何の問題もなかった。きついなんて思わなかったよ」

 関西出身の佳代子さんも強い。「苦しいと思ったことが記憶にないわ。むしろ楽しかったかも」

 一からスタートした農畜産業で生計を立て、5人の子どもを育て上げるためにしゃにむに働いた。その集大成として、今がある。

 農事功績者表彰も、そんな努力の結晶。今は良淳さんが母牛、佳代子さんが子牛の飼養管理といった役割分担で働くが、状況に応じて必要な作業をそれぞれが的確にこなしていく。自他共に認めるベストパートナーで、夫婦で理想的な農業経営を実践しているからこその緑白綬有功章だ。

 受章に当たり良淳さんは「妻と連名で受章できたことが本当にうれしい。私たちがここまで来ることができたのも、支えてくれた地域や行政の皆さんのおかげです」と感謝する。その上で今年中に100頭、将来的には120頭まで殖やすという目標を挙げ、「若い人にも規模の拡大を促しながら素牛産地のブランドを守りたい」と決意した。

 そんな夫の意気込みに佳代子さんは「子牛って難しいんです。きょう元気でもあすには体調を壊していることなんてざら。なのでこれ以上殖えたら大変」と困り顔に。それでも「お父さんと一緒ならねぇ、楽しくていいかもです」。牛のことを話し出すと一向に止まらない良淳さんに、優しいまなざしを向けながら笑みをこぼした。

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