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美ぎ島net
2011年7月26日(火)23:00

地域に根ざした活動展開/JAおきなわ宮古地区女性部

次世代につなぐ農・食文化


トウガンを使った親子料理教室

トウガンを使った親子料理教室

 JAおきなわ宮古地区女性部(上地洋美部長)は、農業に関わる地域の女性たち570人(51班)が加入し、さまざまな活動を通して仲間づくりを展開している。これまで、各市町村ごとに活動していた女性部は、2005年のJAおきなわの統合により活動を拡大、平良・城辺・伊良部・下地・上野支部をまとめた形で、JAおきなわ宮古地区本部の経済部・生活指導員の立津ひさのさん、玉城恵子さん、伊良部の宮国さよ子さんの3人が事務局として部員を支える。中でも、宮古みそ造りは伝統があり年間17・5トンを造り、JAの販売所や産業まつり、離島フェアなど各イベントで販売、農産物漬物加工と合わせ、地域の農業と食をアピールする。


 5月下旬に宜野湾市で行われた県内のJA女性部組織活動体験発表では、宮古地区女性部の上地会長が、「組織を通して伝える喜び」をテーマに活動内容を発表し、最優秀賞に輝いた。さらに7月には、九州大会(熊本県)で発表、宮古地区女性の、地域と連動した活動を紹介した。同行した事務局の立津さんは「8人が登壇して活動を紹介した。食育のテーマが多かった。最優秀賞は逃したもののとてもよい経験になった」と話した。

 同女性部は年間を通して、加工品作り、趣味の教室、「家の光」記事活用、ニガウリやトウガン、マンゴーなどの地域産物活用料理講習会、女性部祭り、子どもたちを対象とした食・農教育など多彩な活動が展開されている。中でも、加工施設を利用した宮古みそや農産物の漬物、焼肉タレなどを作り、ファーマーズマーケットや島内のAコープなどで販売、県主催の離島フェア、産業まつりでも人気の品となっている。

 最近では、若い部員も増え、食の基本となる宮古みそ造り講習会なども実施、食と農の意識を高める活動や、夏休みには親子教室も行われている。さらに伊良部地区では、親子でジャガイモを植え付け、収穫後にカレーパーティーを開くなどの取り組みも行われ、世代間交流も盛ん。

 上地会長は「家族の食を預かる主婦の安心安全への関心は高く、加工品などの手作り志向は広がっている。減塩のみそやカルシウム豊富なキビナゴ・鰹節などの入ったピーナツみそなども人気が高い。若い部員も増える中、世代のニーズに合った活動への取り組みや組織の拡大、育成などを通して仲間づくりに励み、地域に根ざした魅力ある女性部にしていきたい」と意欲を示す。

伝統の宮古みそ造りに力/年間に17・5トンを製造


みそ造りでは、2基の大釜で大豆が炊かれる

みそ造りでは、2基の大釜で大豆が炊かれる

 1997年に建設された特産物等加工施設は、JA宮古地区本部の裏側にあり、宮古みそやニンニクなどの農産物を利用した漬物を作り、あたらす市場や各地のAコープで販売、中でも宮古みそは、週3回、担当職員と部員が製造にあたる。施設内の壁には、作業の流れが表示され、機械化によって大量のみそが造れるようになっている。

 まず、大型釜で30キロの大豆を炊く。釜は2基あり、最初ふたを閉めて煮、沸

煮た大豆にこうじが混ぜられる

煮た大豆にこうじが混ぜられる

騰するころにふたを開け、あくを取りながら大豆の汁が茶色になるまで煮る。約2時間後に釜から出し、台の上に乗せ冷ます。完全に冷めてから、麦こうじを入れて混ぜる。こうじ入りの大豆をチョッパーでミンチにし、さらに、ミンチにしたものに大豆の煮汁と泡盛、塩を入れる。こうしてできたみそを計量して完成させ、たるに入れて約半年熟成させる。

 麦こうじも施設内で作られる。まず、製粉機で製粉された麦は、水で洗い、水気を切って窯に入れて蒸す。40分後に取り出し、台の上でこうじ菌を入れて混ぜる。箱に入れて蒸し、15時間経ったのちに外に出して麦が緑色になったら収納し5-6日間寝かせる。こうした一連の作業を指導員と部員らが当番制で行っている。

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